企業「新卒にはコミュニケーション能力を」86% 過去最高に

財経新聞 2014年1月28日(提供元はエコノミックニュース) 

 「売り手市場」ともいわれるここ最近の就職活動だが、企業は採用基準を落としているわけではない。むしろ学生に求める能力は少しずつ高度化しているようだ。

 日本経済団体連合会(経団連)が会員企業を対象に、「13年4月入社の学生を採用する際に求めた能力(5つまで)」を尋ねたところ、1位は不動の「コミュニケーション能力」で86%。前年の調査より4ポイント増えて過去最高となった。2位は「主体性」で64%、こちらも前年より4.5ポイント増加。3位は「チャレンジ精神」で54%、同0.3ポイント増。4位は「協調性」(51%、同2ポイント増)、5位「誠実性」(41%、同6.8%増)となった。

 いずれの能力も前回調査より求める割合が増えている。売り手市場でも、いや、売り手市場だからこそ企業は学生の能力を慎重に見極め、採用基準を(意図的であれ意図せずにであれ)上げているのかもしれない。

 01年、経団連が最初の調査を実施した際も「コミュニケーション能力」は1位だった。次いで「チャレンジ精神」「主体性」「協調性」「責任感」となっているが、いずれも50〜40%台でそれぞれの差はあまりなかった。

 ところが02年以降「コミュニケーション能力」だけが突出して伸びていき、2位以下を20〜30ポイントも引き離すようになる。07年調査ではついに80%を超えた。なぜこれほど「コミュ力」が重視されるようになったのか。

 経済産業省が06年にまとめた「社会人基礎力」に関するレポートでは、近年仕事において「コミュニケーション能力」や「実行力」などが重視されつつある一方、「若者においてはそうした能力の低下が指摘されている」とある。こうした危機感のもと、9割近くもの企業が今や希少な存在となった(といわれる)「コミュ力ある学生」を求めるようになったのかもしれない。

 一方、その曖昧な表現は、就活生を悩ませる要因にもなっている。もう少し噛み砕いた具体的な表現はないものか。もしかしたらそれは「他人の話を最後まで聴ける」、「愛嬌があって親しみやすい」といった案外「普通」に感じられるような「能力」かもしれないのだから。(編集担当:北条かや)

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