財経新聞 2014年3月25日(記事提供元:エコノミックニュース)
15年春に卒業する大学生の就職活動が、面接など本格的な局面を迎えた。昨今の就活生たちは一体、どのような職場が理想と感じるのか。リクルートキャリアがまとめた就活生の「働きたい組織の特徴2015」によると、学生たちはおおむね、歴史や伝統のある企業で働きたいと考えており、同僚とプライベートでも仲良くするような、一体感のある職場が理想だと考えていることが分かった。
調査は今年1月末から2月初旬にかけ、「リクナビ」に登録している15年3月卒の就活生を対象に実施。男女合わせて9363人から回答があった。
就活生には、働きたい組織の「経営スタイル」「コミュニケーションスタイル」などの各項目について、「A:歴史や伝統がある企業」/「B:若く新しい企業」などの対立概念をおき、自身の考えがAとB、どちらに近いかを選んでもらった。
就活生の男女いずれも「働きたい」と答えた割合が高かったのが、「安定した歴史や伝統があり、商品やブランドに強みのある企業」。一方、「リスクをとってチャレンジングな事業成長をしており、個々人の専門性が強みとなっている新興企業」はあまり支持されなかった。まずは安定した環境で経験を積みたいとの意識の現れかもしれない。
また、多くの就活生は「ドライな人間関係でプライベートでは関わりのない職場」より、「ウェットな人間関係でプライベートでも仲が良い職場」で働きたいと回答。個人化された自由な職場よりも、同僚と密な一体感を得られる組織が理想と考えている。
最近では、経営効率化のために廃止されてきた社内運動会などの行事を復活させる企業も増えている。先行きが見えない時代だからこそ、あえて「職場の一体感」を演出して頑張ってもらおう、との思惑も透けてみえる。だが、こうした密なコミュニケーションに魅力を感じる就活生もまた、多いのだ。過去のデータがないので比較はできないが、職場での一体感を求める就活生の意識が今後、どう変化していくのか注視したい。(編集担当:北条かや)