朝日デジタル 2014年7月25日
経営不振が続くソニーは、来年度をめどに給与制度を変える。年齢に応じて給与が上がる仕組みをなくし、受け持つ仕事の内容を重視する。人件費を抑えつつ、社員のやる気を引き出すねらいだが、労働組合の反発を招く可能性もある。
ソニー本体の約1万4千人が対象。労組に来月提案し、合意すれば2015年度に変える。抜本的な給与制度の変更は04年以来だ。
これまでも、能力や業務の専門性を基本給に反映させる割合を高めてきた。ただ、一部には年次や経験などを考慮する部分を残していた。
新しい制度ではこうした「年功主義」のような部分をなくし、役割や責任に応じた仕組みに改める。
同時に、20代の社員を管理職に登用するなど、若手のやる気を引き出す人事制度の導入も検討する。ソニー本体では、社員の平均年齢が年々上がり、今では管理職が4割を超えている。新制度では、こうした中高年の管理職層の給与が大きく減らされる見通しだ。
ソニーは13年度に1283億円の純損失を出し、今年度も500億円の赤字を見込む。今年度は本社の間接部門で希望退職を募ったり、海外の販売子会社を縮小したりするなどのリストラを進めている。
ソニー本体の社員の平均年収は03年度の921万円から13年度は885万円に減っている。厳しい経営状況を踏まえ、ボーナスだけでなく給与の削減にも踏み込むことで、利益を出しやすくするねらいだ。(高木真也)