非正規の待遇不当 元契約社員が日本郵便提訴

佐賀新聞 2014年08月27日

 佐賀県内の郵便局に有期雇用の契約社員として勤務していた男性が、同じ仕事をする正社員より低い待遇で不当な労働を強いられたなどとして、日本郵便を相手取り約850万円の損害賠償を求める訴訟を26日までに佐賀地裁に起こした。東京、大阪の両地裁で計12人が同様に提訴しており、郵政民営化後の合理化の在り方や非正規雇用の拡大で生じる正社員との格差の是非が問われそうだ。

 訴状によると、男性は集配業務担当の有期契約社員で、業務内容や責任は正社員と変わらないにもかかわらず、給与が低く手当も支給されなかったと主張。正社員と非正規雇用の待遇に不合理な格差を設けてはならないと規定した改正労働契約法の2013年4月施行後も、今年に入って退職するまで是正されず、精神的苦痛を受けたとしている。

 男性側はサービス残業による時間外手当の未払いや上司からのパワハラのほか、年賀状販売などの過大なノルマを自費で買い取る「自爆営業」も強要されたと主張し、慰謝料なども請求している。

 日本郵便の有期契約社員は全国で約19万人に上り、全従業員の半数近くを占めるという。26日に第1回口頭弁論があり、同社側は請求棄却を求めた。同社九州支社は「係争中であり、コメントは差し控えたい」としている。

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