過労死防止法: 協議会初会合で「労働時間管理が不適切」も

毎日新聞 2014年12月17日

 過労死等防止対策推進法(過労死防止法)に基づき労使や過労死した人の遺族らが国の施策について話し合う協議会の初会合が17日、東京・霞が関の厚生労働省で開かれた。「働く人の労働時間管理が適正にされていない」などの意見が出た。

 会合で、「全国過労死を考える家族の会」の寺西笑子代表は「夫は年間4000時間働いて亡くなった。労働基準法が守られていない」と述べた。医師の夫を亡くした中原のり子さんは「裁量労働の名の下に労働時間把握も残業代もない中で骨身を惜しまず働いた」と話すなど、働いた時間が把握されていない状況への指摘が相次いだ。

 連合の新谷信幸総合労働局長は「過労死を何年までにどうするという具体的な目標を設定すべきだ」と述べた。経団連の川口晶労働法制本部長は「企業の競争力の源泉は人材であり、過労死はあってはならない」と表明した。政府は協議会での意見を踏まえ、来年夏をめどに過労死防止策の具体的な内容を大綱として策定する。【東海林智】

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