労働力不足に外国人採用の動き 北上、数百人規模か

岩手日報 2015/01/05

 大型の企業誘致が続く北上市の労働力不足を補うため、今春から日系ブラジル人ら大勢の外国人が同市の工場などで就労することになりそうだ。企業側は具体的な計画を明らかにしていないが、市内では既に外国人の人材派遣会社が労働者の住居確保に動きだした。市は派遣人数が数百人に上る可能性もあると想定。言葉の問題をはじめ外国人との共生に向けた環境整備は急務で、日系人の多い県外の市を視察するなど対応を急いでいる。

 外国人の活用を検討しているのは、同市相去町の北上南部工業団地で5月末の操業開始を予定するセブン−イレブン・ジャパン関連の食品製造業ヒガシヤデリカ(東京都板橋区、江戸龍太郎社長)。同社はパートら約300人を求人。岩手工場準備室の越橋満室長は「採用は想定に比べ順調だが、夜勤など集まりにくい時間帯もある。中高年女性らに働きやすさをアピールして発掘に努めているが、万一足りない場合は外国人の活用もあり得る」と話す。

 同じセブン−イレブン・ジャパン関連の食品製造業わらべや日洋(東京都小平市、妹川英俊社長)も、約500人と大量の求人中。地元採用で足りなければ外国人の活用を検討する可能性を示唆する。

 北上公共職業安定所によると、北上市の昨年11月の有効求人倍率は1・87倍。管外からの求人を含む実質的な倍率は2倍を超す可能性もあり、地元採用は既に頭打ちの状態だ。

 そこで群馬県伊勢崎市の業務請負・人材派遣業晃和(斉藤和浩社長)が、北上市への外国人派遣に向けた準備を進める。現在はヒガシヤデリカに70〜100人の派遣を想定し、市内各地でアパートなどを確保。今後、わらべや日洋から依頼があれば増員する考えだ。

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