米スタバ:従業員の学費を全負担 人材獲得へ「夢」支援

http://mainichi.jp/select/news/20150409k0000m020023000c.html
毎日新聞 2015年04月08日

  
 【ワシントン清水憲司】米コーヒーチェーン大手スターバックスは6日、米国内の従業員を対象に、アリゾナ州立大学のオンライン課程の授業料(4年間)を全額負担すると発表した。2025年までに従業員2万5000人の大学卒業を支援するため、2億5000万ドル(約300億円)を負担する。雇用情勢の改善が進む中で、人材獲得を有利に進める狙いがありそうだ。
   
 週平均20時間以上勤務する従業員が対象で、働き始めて、すぐに対象になることができ、卒業後も同社に残るかどうかは条件にしない。これまでは最後の2年間が対象だったが、4年間に拡大する。入学時に約4割を前払いし、残りは学期を終えるごとに費用を支給する仕組みで、1人あたり年3000〜4000ドルと見込まれるという。ハワード・シュルツ最高経営責任者(CEO)は声明で「すべての人々がアメリカンドリームに値するが、現実はそうなっていない。多くの若者が学位を得る余裕がないか、教育ローンの重荷を背負っている」と述べた。

 同社によると、米国では大卒か高卒かで、生涯賃金(40年間)が6割以上も違うほか、寿命も9年の差があり、1960年代以降この差が拡大している。また、大学に入学しても学生ローンの負担に耐えられずに退学するケースも多く、社会問題になっている。

 米マクドナルドも今月、賃上げを7月に実施するほか、米国内の従業員を対象に大学授業料を補助すると発表。米外食産業では、待遇改善で低賃金イメージの払拭(ふっしょく)とともに、人材の獲得競争が強まっている。

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