「朝型勤務」霞が関で来月スタート 国会延長で実現暗雲

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/150629/mca1506290500001-n1.htm
SankeiBiz  2015.6.29
 
 安倍晋三首相が呼び掛ける朝型勤務が7月1日から霞が関でスタートする。定時退庁を促して長時間労働の抑制を図る狙いだが、国会会期の大幅延長に伴って早くも実現に暗雲が垂れ込めている。国会対応が深夜残業の温床とされるためだ。政府が賛同を求める自治体でも東日本大震災の被災3県が復興事業による多忙を理由に参加を見送っており、足並みはそろわない。

 内閣人事局長を務める加藤勝信官房副長官は26日、各省庁トップを集めた会議で、朝型勤務について「国会が延長される中で一部の省庁では難しい場面もあると思う」と認めた。その上で「数日だけでも体験してほしい」と控えめに提案した。

 勤務開始を通常より1、2時間早め、定時に帰宅する取り組みは、夕方の時間を子育てや趣味に生かす意味で「ゆう活」と呼ばれる。期間は8月末までとなる。

 首相の肝煎りだけあって(1)午後4時15分以降は原則として会議を入れない(2)予算の概算要求資料の提出期限を9月上旬から9月末に延長−などの大胆な対策を講じる。地方の出先機関も含めた国家公務員約22万人が参加する見通しだ。

 ただ、国会中は議員の質問提出までの待機時間など勤務が深夜に及びがちだ。内閣人事局は「国会延長で、ゆう活は難しいという声が各省から寄せられている」と明かす。

 安全保障関連法案を担当する外務省の中堅職員は「そもそも時差がある海外とのやり取りは時間を選ばない。安保国会でさらに多忙になる」とぼやく。

 内閣人事局によると、都道府県では岩手、宮城、福島の被災3県がゆう活に参加しないとしている。福島県の担当者は「復興事業が本格化する中、勤務時間を減らす余裕はない。他の自治体から応援の職員をもらっている状況だ」と訴えた。

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