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時事ドットコム 2015年7月7日
時事通信社が東証1部に上場する主要企業500社を対象に集計したところ、2015年に女性役員を起用した企業は213社と全体の42%に上り、昨年の30%から10ポイント以上増えた。女性役員の延べ人数は280人となり、役員全体に占める割合は昨年の2.6%から3.7%に上昇した。
安倍政権の女性活用推進の追い風もあって、昨年より増えた。ただ、米金融サービス会社MSCIの14年調査によれば、女性役員のいる企業の割合は先進国平均で67%、人数では13%となっており、日本は依然、国際的な水準を大きく下回っている。
また、女性役員のうち、社外取締役が90%を占め、社内登用はごく少数だった。社外からは大学教授や名誉教授(元を含む)が64人、弁護士が55人など、専門職に従事する女性が多く起用された。
調査したのは、今年有価証券報告書を提出した12月、1、2、3月を決算期とする時価総額上位500社。取締役、監査役(監査等委員を含む)を対象とし、執行役、執行役員は除外した。
最も女性役員が多いのはブリヂストンとローソンでそれぞれ4人。女性役員を初めて起用、または増員したのは89社となった。富士通は日本人女性初の宇宙飛行士、向井千秋氏を社外取締役に起用。カルビーは、取引先の米ペプシコのアニンディタ・ムックージー氏などを迎え、女性役員を3人に増やした。
松浦民恵・ニッセイ基礎研究所主任研究員は「登用企業が増えたことは評価できるが、社内の女性が本格的に登用されるまでは時間がかかりそうだ」と指摘している。