しんぶん赤旗 14年度 配当と内部留保も 法人企業統計 社員の賃金は実質減


 1日発表された財務省の2014年度法人企業統計で、大企業(資本金10億円以上、金融・保険業を除く)の経常利益は統計を取り始めた1960年度以来最高、株主配当や内部留保も過去最高となりました。それに対して社員の賃金は前年度比でわずか1%増えただけでした。14年度は消費税増税の影響もあって物価が大幅に上昇したため、賃金は実質的にマイナスとなります。

 企業の事業全体の利益を示す経常利益は37・4兆円(前年度比7・5%増)でした。株主への配当金は12・1兆円。前年度から1・5兆円増加しました。社員の賃金全体の増加額7700億円の2倍です。社員1人当たりの年間賃金は563万5000円でした。大企業の内部留保は299・5兆円と300兆円の大台に迫りました。

 安倍晋三政権は、大企業が利益を増やせば「好循環」が生まれるとして大企業優遇策を進めていますが、もうかったのは大企業と大株主の富裕層だけでした。

 一方、国民の所得が増えず、国内需要が振るわないので、売上高はピークだった07年度の622・1兆円を大きく下回る565・2兆円です。大企業は海外からの配当で利益をあげています。安倍政権が大企業減税を進めた結果、実際に払った法人税(地方税を含む)の負担率(税引き前当期純利益に対する比率)は過去最低の24・1%でした。

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