http://mainichi.jp/select/news/20150929k0000m040118000c.html
毎日新聞 2015年09月29日 02時30分
医療事務大手のニチイ学館（東京）が、福岡支店（福岡市）の業務請負先の病院に勤務する複数の事務職員に対し、時間外手当の一部を支払っていなかったとして、福岡中央労働基準監督署が同支店に労働基準法違反として是正勧告をしていたことが分かった。勧告を受けて同社は労基署と連携し、福岡県内１７病院で働く福岡支店所属の計約４２０人について勤務状況の調査に乗り出した。
是正勧告は６月１１日付。福岡市の九州中央病院に勤務する複数の事務職員について、午後１０時以降の時間外労働と深夜労働の割増賃金の一部が支払われていなかったとして、過去の未払い分をさかのぼって支払うよう指導した。業務で使う端末の使用終了時刻と、自己申告の終業時間が食い違っていたことなどから未払いと判断した。
同社は対象人数や未払い期間などを明らかにしていないが、ある職員は「部署によっては時間外勤務が７０時間近くあっても、申請時に３０時間に収まるよう微調整していた」と話す。
同社は、福岡支店以外で時間外労働に関する是正勧告はないとした上で、同支店で時間外手当を過少申告するような指示があったかについては「詳細は答えられないが、そういうことがあれば適切に対応していく」と話している。
ニチイ学館は１９６８年創業。全国の医療機関と契約し、医療事務を請け負っているほか、医療・介護の資格講座や介護事業などを展開している。社員数は約１万６８００人（今年３月末現在）。他に有期雇用で働く「業務社員」が約８万人いる。【青木絵美】