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朝日新聞 2015年10月13日
来年から運用が始まるマイナンバー制度をめぐり、厚生労働省のシステム設計の契約に絡んで業者から現金100万円を受け取ったとして、警視庁は13日、厚生労働省情報政策担当参事官室の室長補佐、中安一幸容疑者(45)=さいたま市大宮区=を収賄容疑で逮捕し、発表した。容疑を認めているという。
捜査2課によると、中安容疑者は2011年11月、東京都千代田区のシステム開発会社が、厚労省のシステム設計や開発にかかわる調査業務2件を受注できるよう取り計らった見返りとして、当時、同社の社長だった男性(72)から現金を受け取った疑いがある。男性の贈賄罪については、3年の公訴時効が成立している。
中安容疑者は当時、社会保障担当参事官室に在籍。捜査2課によると、発注にかかわった2件の業務契約で業者選定に権限を持っていたほか、本来は国が準備する仕様書を、受注を望んでいた同社に作らせていたという。
仕様書は必要な技術規格などをまとめたもので、国が提示したものを元に契約希望会社が提案内容を競う「企画競争」を開く。2件にはそれぞれ4社と2社が参加したが、いずれも現金を贈ったとされる会社が選ばれ、約7400万円と約1億4千万円で契約を結んだという。