諮問会議: 「3%賃上げ」提示 民間議員が最低賃金増額も

http://mainichi.jp/select/news/20151112k0000m020106000c.html
毎日新聞 2015年11月11日 21時54分(最終更新 11月11日 22時41分)

 政府は11日、経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)を開き、安倍首相が掲げる「名目国内総生産(GDP)600兆円」達成に向け、民間議員が、政府の名目成長率目標に見合った3%の賃上げや最低賃金引き上げを目指すべきだとする緊急対策案を提示した。経団連の榊原定征会長は会議後、報道陣に「経済の好循環を実現するには、適切な賃上げが必要」と述べ、政府の要請に協力する姿勢を示した。
    
 安倍首相は「政府は来年の賃上げや最低賃金引き上げの環境整備を進めていく。企業は歩調を合わせて設備投資や賃上げにつなげてほしい」と要請。支援策として2016年度に予定されている法人実効税率(31.33%)の引き下げ幅を広げて、早期に20%台にする方針を表明した。

 最低賃金引き上げの提案は、時給方式になった02年度以来最大の上げ幅(全国平均18円)だった今年度を上回る引き上げを求めたものだ。先進国の最低賃金がおおむね1000円を超えるのに対し、日本は東京でも907円にとどまっている。5日の「官民対話」の席上でも、安倍首相は経済界の代表に3年連続になる賃上げを求めていた。

 また、民間議員は女性の就労促進策として、税や社会保険、配偶者手当のあり方を早急に見直すべきだと提案した。特に、パートで働く主婦の年収が130万円を超えると健康保険や年金の保険料負担が発生して手取りが減る「130万円の壁」の負担軽減策を求めた。甘利明経済財政担当相は会議後の会見で「時給を上げてもパートタイマーは130万円の壁でやめる傾向があり、賃上げがGDP拡大につながらない。何とかする必要がある」と発言。月末にまとめる「1億総活躍プラン」に対応策を盛り込む方針を示した。【横田恵美】

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