http://mainichi.jp/articles/20151210/k00/00m/040/021000c
毎日新聞2015年12月9日
日本IBM(東京都中央区)の50代の男性会社員がうつ病になったのは上司に退職勧奨を受けたのが原因として、東京労働局中央労働基準監督署が労災認定をしたことが9日、分かった。男性の代理人の水口洋介弁護士によると、退職勧奨で労災が認定されるのは非常に珍しいという。
男性が加入する労働組合「JMIU日本IBM支部」が記者会見し明らかにした。
同支部によると、男性は社内システムの管理に従事していたが、昨年12月、「業務成績が悪い」として直属の上司から月末までの退職を求められた。
他に退職希望者が出て退職募集枠が埋まったため勧奨は中止されたが「いつ解雇されるか分からないですよ」と言われた。
今年2月に別の上司から「(退職勧奨を)受けない場合はもう会社としても居てもらえない。解雇になる」などと2回、退職勧奨を受けたほか、他の上司からも2回言われた。
男性は出社できなくなり、うつ病の診断を受け、4月に休職。6月に中央労基署に労災申請し、12月1日に認定通知があったという。水口弁護士は「解雇という言葉を安易に使う事が労働者を心理的に追い込むことが認められた。乱暴な解雇は許されない」と話している。
日本IBM広報部は「事実関係を掌握していないので、コメントは差し控える」と話している。【東海林智】