しんぶん赤旗 2017年3月5日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-03-05/2017030502_03_1.html
宅配便激増によるトラック運転手の長時間労働が問題となるなか、日本共産党の本村伸子議員は3日の衆院国土交通委員会で、劣悪な下請け構造を告発し、法規制など抜本的対策を求めました。
本村氏は、佐川急便名東店(名古屋市)の孫請け「個人事業主」が体を壊し救急搬送された例を紹介。同店の指示で連日朝7時から夜9〜10時まで無休で働くなど、使用従属関係があり労働者だと指摘。「労働者ではないとして社会保険加入や労働時間管理、賃金、残業代などの労働法制から除外するのは脱法的な働かせ方だ」と批判しました。厚生労働省の土屋喜久審議官は、使用関係は契約ではなく実態で判断されると認め、「相談があれば必要な対応をとる」と述べました。
本村氏は、車の維持管理費などを除くと手元に約13万円しか残らないのに、同社の1次下請けが「平均月収43万9000円」などと実態とかけ離れた求人広告を出していたと指摘。厚労省の鈴木英二郎派遣・有期労働対策部長は、請負契約を雇用契約のように見せかけ、労働条件を適正に明示しない募集広告は「職業安定法に抵触する」と述べました。
本村氏は、インターネット販売の増大で宅配便取り扱い量が5年間で5億個も増えるなか、再配達費用を大手通販会社に求めることや、国交省が適正運賃を示し、ダンピング発注の温床である「送料無料」の表記を「運送料は当社負担」と正確に表示することを提案。石井啓一国交相は「再配達コスト負担を荷主に求めることはあり得る方策の一つ」と述べました。