労働政策審議会が建議

 政府の「働き方改革実行計画」に盛り込まれた労働時間規制の法制化について労働政策審議会(労働条件分科会)は5日、塩崎厚労相に建議しました。
(写真)「過労死ラインの残業合法化反対です」と訴える雇用共同アクションのメンバー=5日、厚労省前(省略)
 実行計画を追認し、時間外労働の上限は休日労働を含め1月100時間未満、2〜6カ月平均で80時間、年間960時間(うち時間外は年間720時間)とし、過労死ラインの残業を容認しました。
 長時間労働が深刻な自動車運転業務、建設業、医師については、法施行後5年間も上限規制を適用せず、その後も自動車運転業務は時間外労働だけで年間960時間まで認めるなど他の業種より長い上限にとどめます。
 研究開発業務については、月100時間を超えた場合に医師の面接指導を義務付けただけで、現在に引き続き適用除外としました。長時間労働が問題の公務員や教員については議論しませんでした。
 勤務終了から次の勤務まで一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル」は「努力義務」にとどめ、確保すべき時間数も示しませんでした。
 実行計画は、「残業代ゼロ」制度(高度プロフェッショナル制度)創設や、いくら働いても一定賃金しか払われない「企画業務型裁量労働」を拡大する労基法改悪案の早期成立を図るとしていますが、長時間労働の是正に逆行するにもかかわらず建議では、いっさい言及しませんでした。

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