労働・雇用問題をテーマに活動する若者グループ「エキタス」が、各政党に東京都議選(7月2日投票)に向け、若者雇用や住宅支援を求める公開質問を行い、その結果をネット上で発表しています。日本共産党は全面賛成、自民党は否定的、公明党は課題を並べて実現先送り、都民ファーストは無回答でした。
公開質問プロジェクトには、首都圏青年ユニオン(全労連加盟)、プレカリアートユニオン(連合加盟)など幅広い労働組合なども参加しています。
各党に回答を求めた質問項目は三つです。
【時給1500円】
一つ目は、東京都が発注する公共事業で働く人の賃金が、時給1500円以上になるよう保障する「公契約条例」を定めることについてです。
【住宅政策】
二つ目は、若者の家賃負担が大きい東京で、都営住宅の供給増加、年齢要件・収入要件の拡大、空き家活用などをすすめることについてです。
【東京脱ブラック労働宣言】
三つ目は、働く人の基本的な権利の尊重と都の責務を明文化し、ブラックな労働を許さないと意志表示することについてです。
三つの質問に対し、日本共産党は、若者の願いに正面からこたえ、すべての項目に明確に賛成しました。「人間らしく生活できる賃金を保障する公契約条例」実現を主張。都営住宅の大量建設、子育て世帯支援、若者向け住宅や家賃補助を提案。脱ブラック宣言のほか違法企業公表や相談窓口開設などの具体策も明らかにしました。
他方、自民党は、時給1500円について「労使間での交渉により自主的に決定」「公正性、競争性の確保など、整理すべき課題がある」と指摘。都営住宅の入居資格も「おおむね妥当な水準にある」。「ブラックバイト」問題は、「十分承知しております」と言いながら、宣言への賛否を明らかにしていません。
公明党は、質問項目に理解を示すようにみせながら、時給1500円は「都の関連事業をどこまでを対象とするか」「事業者の協力」など課題を指摘。住宅政策は「都の住宅局を復活」が大前提だとしています。脱ブラック宣言に対しては、「具体的な施策となると一定の強制力がなければなかなか労働規制は困難」と述べています。
都民ファーストは、公開質問に回答しませんでした。