連合ニュース 2017年7月14日
https://hatarakikata.net/modules/column/details.php?bid=403
7月13日夕刻、連合・神津里季生会長は、安倍晋三内閣総理大臣に対して、労働基準法等改正法案に関する要請を行いました。
※ 先方出席者:安倍晋三内閣総理大臣、塩崎恭久厚生労働大臣、加藤勝信働き方改革担当大臣
過労死・過労自殺ゼロはもとより、健やかに働き続けられる社会の実現に向けて、長時間労働の是正は喫緊の課題であり、「働き方改革実行計画」踏まえた時間外労働の上限規制等については、労働政策審議会の建議に基づいて、速やかな法改正と施行が求められています。その一方で、国会においては、2015年に提出された労働基準法等改正法案が継続審議となっています。法案には、中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率を引き上げてダブルスタンダードを解消すること等、評価すべき内容も盛り込まれています。
しかし、同法案に盛り込まれている企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大や高度プロフェッショナル制度の創設については、長時間労働・過重労働を助長しかねないため、労働政策審議会の議論の段階でも反対意見を表明しました。現在でも、これらの制度を導入すべきではないという考えは変わりませんが、このままの内容で法案が成立することへの危惧が非常に強いため、要請を行いました。
神津会長から、継続審議となっている労働基準法等改正法案に関して、企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大や高度プロフェッショナル制度の創設については、現在でも導入すべきでないと考えているが、少なくとも、?裁量労働制が営業職全般に拡大されないことの明確化、?高度プロフェッショナル制度で働く方の健康確保の強化、という点からの是正が不可欠であることを述べました。
また、現在の裁量労働制の問題点として、裁量労働制で働く者は、仕事の進め方や時間配分に関して主体性を持ちたいと思いつつも、実際には、労働時間(在社時間)が長かったり、取引関係における短納期などの要因により業務に対する裁量性が小さかったりするなど、本来の制度趣旨に沿わない実態にあり、対象業務拡大の前に、裁量労働制の適正な運用がなされるようにすべきことも発言しました。
その後、要請書を安倍総理に手交しました
これに対し、安倍総理からは、以下のとおり発言がありました。
○ 本日いただいた修正提案については、労働者団体の代表のご意見として、重く受けとめる。責任をもって検討させていただく。
○ 現在提出している労働基準法改正案の目的は、働く人の健康を確保しつつ、その意欲や能力を発揮できる新しい労働制度の選択を可能とするものであり、残業代ゼロ法案といったレッテル張りの批判に終始すれば、中身のある議論が行えないと考えていたところ、本日の提案は、中身についての提案であり、建設的なもの。
○ ご提案に沿うかたちで、私と神津会長と榊原会長との間で、政労使合意が成立するよう、私自身、最大限、尽力したい。
以 上
https://hatarakikata.net/modules/column/details.php?bid=403
7月13日夕刻、連合・神津里季生会長は、安倍晋三内閣総理大臣に対して、労働基準法等改正法案に関する要請を行いました。
※ 先方出席者:安倍晋三内閣総理大臣、塩崎恭久厚生労働大臣、加藤勝信働き方改革担当大臣
過労死・過労自殺ゼロはもとより、健やかに働き続けられる社会の実現に向けて、長時間労働の是正は喫緊の課題であり、「働き方改革実行計画」踏まえた時間外労働の上限規制等については、労働政策審議会の建議に基づいて、速やかな法改正と施行が求められています。その一方で、国会においては、2015年に提出された労働基準法等改正法案が継続審議となっています。法案には、中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率を引き上げてダブルスタンダードを解消すること等、評価すべき内容も盛り込まれています。
しかし、同法案に盛り込まれている企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大や高度プロフェッショナル制度の創設については、長時間労働・過重労働を助長しかねないため、労働政策審議会の議論の段階でも反対意見を表明しました。現在でも、これらの制度を導入すべきではないという考えは変わりませんが、このままの内容で法案が成立することへの危惧が非常に強いため、要請を行いました。
神津会長から、継続審議となっている労働基準法等改正法案に関して、企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大や高度プロフェッショナル制度の創設については、現在でも導入すべきでないと考えているが、少なくとも、?裁量労働制が営業職全般に拡大されないことの明確化、?高度プロフェッショナル制度で働く方の健康確保の強化、という点からの是正が不可欠であることを述べました。
また、現在の裁量労働制の問題点として、裁量労働制で働く者は、仕事の進め方や時間配分に関して主体性を持ちたいと思いつつも、実際には、労働時間(在社時間)が長かったり、取引関係における短納期などの要因により業務に対する裁量性が小さかったりするなど、本来の制度趣旨に沿わない実態にあり、対象業務拡大の前に、裁量労働制の適正な運用がなされるようにすべきことも発言しました。
その後、要請書を安倍総理に手交しました
これに対し、安倍総理からは、以下のとおり発言がありました。
○ 本日いただいた修正提案については、労働者団体の代表のご意見として、重く受けとめる。責任をもって検討させていただく。
○ 現在提出している労働基準法改正案の目的は、働く人の健康を確保しつつ、その意欲や能力を発揮できる新しい労働制度の選択を可能とするものであり、残業代ゼロ法案といったレッテル張りの批判に終始すれば、中身のある議論が行えないと考えていたところ、本日の提案は、中身についての提案であり、建設的なもの。
○ ご提案に沿うかたちで、私と神津会長と榊原会長との間で、政労使合意が成立するよう、私自身、最大限、尽力したい。
以 上