未払い賃金を請求した労働者を仕事のミスを理由にして解雇するのは不当だとして、ヤマト運輸の拠点間の物流を手がける下請け会社のトラック運転手の男性(44)が1日、この会社を相手取り、地位確認などを求める労働審判を東京地裁に申し立てた。男性と代理人弁護士が記者会見して明らかにした。
下請け会社はナカムラ・プロジェクト(東京)。申立書によると、就業規則に明記された1日8時間の就労時間を超えて働いても、日給は1万2千円に固定されていた。男性は約420万円の未払い賃金を求め、2015年6月に東京地裁に労働審判を申し立てたが、会社は同年8月、男性が荷物を下ろし忘れるミスをしたことが会社の信用を傷つけたとして、懲戒解雇を通知した。
代理人の指宿昭一弁護士は「ミスは軽微で解雇理由にはならない。残業代が支払われず、請求すれば不当解雇されるというのは大問題だ」としている。