『国際労働基準 ILO条約・勧告の手引き2019年版』(発行日 2019年4月16日)
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◆「目次」は、次の通りです。ILO条約・勧告の概要を知るのに便利です。
はじめに ···································· 1
国際労働基準−ILOの条約・勧告とは ··········· 3
条約・勧告ができるまで ······················ 5
国際労働基準関連手続きの流れ ················ 7
基準設定に関する理事会の方針 ················ 8
条約・勧告の廃止・撤回 ······················ 10
条約・勧告の採択後は ························ 12
条約適用の監視機構 ·························· 14
条約勧告適用専門家委員会 ····················· 15
基準適用総会委員会 ·························· 16
憲章第24条及び第25条に基づく申立 ·············· 17
憲章第26〜29条及び
第31〜34条に基づく苦情申立 ··········· 17
結社の自由に関する実情調査調停委員会 ·········· 18
理事会の結社の自由委員会 ····················· 19
国際労働基準の効果 ·························· 20
批准条約の効果 ······························ 20
未批准条約の効果 ···························· 20
条約の解釈問題 ······························ 21
労働における基本的原則及び
権利に関するILO宣言 ················· 22
公正なグローバル化のための社会正義宣言 ······ 22
参考文献 ···································· 24
主要な条約・勧告の解説 ······················ 29
加盟国別にみた条約批准数 ··················· 100
条約別にみた批准数及び索引 ················· 104
ILO勧告の一覧表 ···························· 109
◆この中で、62頁には、パートタイム労働について、次のような説明がありました。
パートタイム労働(1994年 第175号条約)
正式名は「パートタイム労働に関する条約」。
パートタイム労働者の労働条件が、比較可能なフルタイム労働者と少なくとも同等になるよう保護すると同時に、保護が確保されたパートタイム労働者の活用を促進することを目的とする条約。本条約は、パートタイム労働者を、通常の労働時間が、比較可能なフルタイム労働者(当該パートタイム労働者と同一形態の雇用関係を有し、同一または類似のタイプの労働または職業に従事し、同一事業所、同一企業または同一業種に雇用されている者)のそれより短い労働者と規定するが、関係の労使団体と協議の上、特定の労働者・事業所への適用除外を認める。
団結権、団体交渉権、労働者代表として行動する権利、労働安全衛生、雇用及び職業における差別といった基本的権利に関しては、パートタイム労働者に比較可能なフルタイム労働者と同一の保護を、基本給、職業活動に基づく法定社会保障制度、母性保護、雇用の終了、年次有給休暇と有給公休日、疾病休暇に関しては、同等の条件を与えること、さらにフルタイム・パートタイム間の自発的な相互転換に向けた措置をとることなどを求める。
補足する同名の勧告(第182号)は条約適用の指針となる細則を示す。
批准=17
◆日本は、まだ、この条約を批准していません。日本では、1993年、この条約が採択される前年に「パート労働法(正式名 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)」が成立しました。この条約が求めるフルタイム労働者との同一待遇や、フルタイム・パートタイム間の自発的転換などの規定は含まれていません。条約が採択されてしまう前に、条約内容とはかけ離れた内容・低水準の法律を駆け込みで成立させたと考えざるをえません。「日本的パートタイム労働」は、ILO条約が予定する「パートタイム労働」とは全く違うことが分かります。(W)