新概念? 「ワーク・エンゲイジメント」――労経白書から|迷想日誌 (10/11)

新概念? 「ワーク・エンゲイジメント」――労経白書から|迷想日誌
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労働新聞社 〜経営、人事・労務の専門情報紙〜 2019/10/11 10:18

令和元年度の労働経済白書が閣議決定されました。そのなかで、「ワーク・エンゲイジメント」という概念が紹介されていますので、その概略をご紹介します。

「仕事をしていると活力がみなぎるように感じる」「自分の仕事に誇りを感じる」「仕事をしているとつい夢中になってしまう」という、要するに「活力」「熱意」「没頭」の3つの要素が完璧にそろった状態を「ワーク・エンゲイジメント」と定義しています。

この3つの要素を17項目の質問に基づき測定し、0〜6点までのスコア化を行い、職場ごとの「ワーク・エンゲイジメント」の状態を知ることができます。つまり、職場環境を「見える化」したものとなります。

1990年代からオランダ・ユトレヒト大学の教授が提唱し、2002年ごろに確立された概念としています。日本企業に持ち込まれたのはここ数年の出来事で、今後さらに広がる可能性があります。
白書では、大阪の(株)福井、東京の(株)FICCおよびSansan(株)の導入事例を載せています。

国際比較でみると、日本はかなり低いレベルにあります。
日本のスコアは3点程度ですが、最高のフランスは5点弱、ドイツは4点強、中国でさえ4点弱の水準にあります。
ただし、日本人は、ポジティブな感情・態度を表に出すことを良しとしない傾向が強いため、スコアが低くなっているとする見方もあります。

日本でもすでに職場のストレス度を測定するなどの取組みが浸透していますが、「ワーク・エンゲイジメント」の大きな特徴として、スコアと企業パフォーマンスとの相関関係を重要な視点と捉えていることです。
スコアが高ければ、従業員の定着率・離職率が改善するばかりか、健康増進、労働生産性とも正の相関関係があるとしています。

働きがいを向上させ、「ワーク・エンゲイジメント・スコア」を高めるため、上司と部下が月1回以上1対1のミーテングを行うなどの職場コミュニケーションの充実、労働時間の短縮と働き方の柔軟化、社員・リーダー層への権限移譲といった業務裁量権の拡大などの改革が有効とみられています。

労働新聞編集長 箱田 尊文 

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