残業代を引き上げる改正労働基準法が5日午前の参院本会議で自民、民主、公明の各党などの賛成多数で可決、成立した。共産、社民の両党は反対した。現行では通常の労働時間の賃金の25%割り増しとなっている残業代を月60時間を超えた分については50%増とする。施行は2010年4月。
同法は長時間労働や過労死を防止することを狙ったものだが、中小企業について「当面の間、適用しない」としているため、労働組合を中心に実効性を疑問視する声も根強い。また、労使が事前に合意すれば、年間の有給休暇のうち5日分までは1日単位ではなく時間単位で取得することを認める内容も盛り込まれた。
政府が国会に提出した原案では残業代を割り増しする基準について、「月80時間超」としていたが、過労死が認められる厚生労働省の残業時間基準と同じであることへの批判が相次いだため、与党側が「月60時間超」に修正した。