総務省が28日発表した労働力調査によると、7月の完全失業率(季節調整値)は前月を0.3ポイント上回る5.7%となり、過去最悪となった。厚生労働省が同日発表した7月の有効求人倍率(同)も、前月を0.01ポイント下回る0.42倍で3カ月連続で過去最低を更新した。
09年4〜6月期の実質国内総生産(GDP)が5期ぶりにプラス成長に転じるなど、景気には一部、明るい兆しも見え始めている。だが、企業の雇用の過剰感は依然強い。厚労省は「引き続き厳しい状況が続く」とみており、一段の悪化も予想される。
完全失業率は15歳以上の働く意欲がある人のうち、職がなく求職活動をしている人の割合。6カ月連続で悪化し、02年6、8月と03年4月に記録した5.5%を超えた。男性は前月より0.4ポイント高い6.1%で初の6%台になった。女性は0.1ポイント高い5.1%だった。
完全失業者は359万人。前年同月より103万人増え、過去最大の増加幅となった。理由別では、勤め先の都合が同65万人増の121万人と大幅に増えた。自己都合は10万人増の110万人。
年齢別の失業率は15〜24歳が9.9%で最も高い。完全失業者数は、25〜34歳が前年同月比24万人増、35〜44歳が26万人増で、ほかの年齢層より増え幅が大きくなっている。
有効求人倍率は、ハローワークで仕事を探す人1人に対し、企業から何件の求人があるかを示す。年明けから4月までは毎月、0.06ポイント以上の落ち込みが続いていたが、前月に続いて0.01ポイントの小幅な下げにとどまり、底を打ちつつある。
都道府県別では、香川県が0.64倍で最も高く、青森、沖縄両県が0.27倍で最も低かった。