第66回 自治体の選挙業務に時給780円の日雇い派遣

今回の総選挙では派遣労働の規制が一つの争点になりました。にもかかわらず、全国各地の自治体では、各種の選挙業務に大量の日雇い派遣が利用されたと伝えられています。NHKニュースの不確かな記憶によれば、大量の派遣切りで経営が悪化した派遣会社が1時間1000円を切る低料金で売り込みをかけており、派遣労働者が受け取る時給は最低賃金ぎりぎりの780円まで下がっているそうです。

厚生労働省の労働者派遣事業の2007年度報告によると、一般労働者派遣事業の8時間当たりの派遣料金は平均14,032円(対前年度比9.9%減)で、賃金は9,534円(対前年度比9.8%減)でした。この場合、時給は1200円近くになりますが、派遣の時給は最近ではますます低下して、日雇い派遣では地域の最低賃金ぎりぎりにまで下がっている例もあると聞きます。それがまさしく選挙事務のための日雇い派遣なのです。

8月5日付の神戸新聞は、今回の総選挙では「全9区の開票所で約2700人が作業する。うち人材派遣会社3社の社員は715人と、約4分の1を占め、市の支出は約320万円」と報道しています。これは半端な人数ではありません。いかに経費を減らせるといっても、自治体が自民党も規制すると言っている日雇い派遣を利用するのは問題です。また、本来は正職員で対応すべき選挙業務を日雇い派遣に任せることは、選挙業務の信頼性を損なうものです。

選挙にかかわる日雇い派遣の利用は、自治体の投開票業務にとどまりません。どの党とは言いませんが、選挙運動に日雇い派遣を動員しているという話も聞きます。また選挙の出口調査に派遣スタッフが当たっていると言われています。それだけに問題の根は深いということです。

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給与 時給780円〜

勤務地 横浜市営地下鉄新横浜駅徒歩12分

休日/勤務日 30日のみのお仕事です

勤務時間 6:30〜13:30

お仕事内容  選挙に係わる受付・記載案内、投票用紙の交付・名簿照合などのお仕事をお願いします。投票日が8月30日(日)となります。当日投票業務は区内エリア約35ヶ所となります。研修に関しては参加必須です。【当日業務】6:30ー13:30・13:30ー20:30(区により時間が前後する可能性が有ります)

応募資格・条件  パソコンの基本操作が可能な方(入力やインターネット操作程度)。市民の方への丁寧な対応が可能な方【服装】ビジネスカジュアル【喫煙環 境】禁煙【残業】原則なし  お仕事PR! 人気の行政機関でのお仕事です。1日のみの単発のお仕事です!! <より多くの求人情報を提供するため仮登録の手続きを致します。>

派遣会社 ヒューマンリソシア株式会社 東日本

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