派遣専門業務 拡大を検討

医師・看護師まで議論 厚労省会議
“使い捨て労働なくせ”に逆行

 労働者派遣法の改正をめぐって焦点となっている専門業務の見直しについて政府が、大幅な縮小を求める声とは逆に専門業務の範囲を拡大する方向を検討していることが12日までに分かりました。“使い捨て労働をなくせ”と規制強化を求める労働者の願いに背を向けるものです。

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 「事務用機器操作」など26ある専門業務は派遣期間の制限がなく、日本経団連や派遣業界などが、その拡大を求めてきました。

 議論が行われたのは、長妻昭厚労相ら政務三役が出席して2月23日に開かれた厚労省の政策会議。最近判明した内容によると、政務三役から「事務用機器操作やファイリングは専門性があるのか問題になっている」との意見が出る一方で、「士業(弁護士など)や医師など国家資格のある業務は明らかに専門性があるので入れるべきだ」「ぜひ26業務に追加すべき業務についても調査して議論していくべきだ」などの意見が出されました。厚労省側は「審議会の議論を踏まえ適切に対応していきたい」と表明。追加も含めて検討することになりました。

 議論に上がった医師・看護師の派遣労働は、チーム医療が壊され、患者の安全に害を及ぼすとして一部を除いて禁止されています。経団連は禁止業務から外すよう毎年要求。福祉施設などの事業者団体も専門業務だとして解禁を求めています。

 政府が国会に出している派遣法改定案では、仕事のあるときだけ雇用契約を結ぶ「登録型派遣」を原則禁止する例外として、専門26業務を指定しており、厚労省は「原則禁止を施行するまでの3年間に審議会にかけることになるだろう」としています。専門業務が拡大されると、「大穴が開いている」と批判される政府の改定案はさらに骨抜きにされてしまいます。日本共産党、日弁連、全労連などは専門業務を抜本的に見直し、大幅に縮小するよう求めています。

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 派遣の専門業務 1985年の派遣法制定時に13業務から始まり、96年に26に拡大。派遣の原則自由化に伴い99年から期間制限がない業務となりました。パソコン操作にあたる「事務用機器操作」など専門業務とは呼べないものが多い上、専門業務を装う「業務偽装」が横行。日産自動車など大企業や大手派遣会社が労働局から是正指導を受けています。

赤旗 4月13日

 

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