大阪府の橋下徹知事が率いる「大阪維新の会」は府議会最終日の3日、「君が代」斉唱時に教職員に起立を強制する条例案と、府議会の9割を1、2人区にする議員定数削減の条例案をまともな審議なしに強行しようと狙い、緊迫しています。
これに対し、大阪労連など憲法、労働、市民関係の7団体が主催する「君が代」起立強制条例案の撤回を求める緊急府民集会が1日夜、大阪市内で開かれ、500人を超える府民らが参加。通路にも人があふれ、「教育と民主主義の破壊だ」「何としてもつぶそう」と怒りとたたかいへの決意がみなぎりました。
「君が代」起立強制条例案は、憲法が保障する「思想・良心の自由」を侵害し、教職員を従わせることで、子どもたちに「国と郷土を愛する意識の高揚」「服務規律の厳格化を図る」というもの。定数削減条例案は、現行109の定数を88に減らし、33ある1人区を48に拡大し、府民の多様な意見、要求を締め出そうとする民主主義破壊の暴挙です。地方選で多数を得た「維新の会」が数をたのんで押し通そうとしています。
緊急府民集会では、元全労連議長の三上満氏が講演。大阪弁護士会憲法問題特別委員会委員長の武村二三夫氏、元府立高校校長らが登壇し、「危うい暴走をこの大阪で許してはならない」との気迫を込めた訴えに、拍手がわきあがりました。
小学4年生の子どもを持つ男性(40)は「うちの子もおかしいと言っている。弁護士出身の橋下知事が先生や子どもの自由を奪うようなことをするとは、信じられない」と怒っていました。