5月の株価上昇分は1カ月で消えた
【琴寄辰男、渡辺淳基】30日の東京株式市場で、日経平均株価の終値が737円の急落になった。1143円の暴落になった23日に次ぐ、今年2番目の下げ幅だ。23日以降1週間の下落幅は2千円を超え、リーマン・ショック時以来の大きさになった。株式市場の動揺は収まらないままだ。
■時価総額48兆円吹き飛ぶ
前日の欧米市場で株価が下落した流れを引き継ぎ、30日の東京市場は朝方から全面安の展開となった。自動車など輸出企業の株式が売られ、下げ幅は一時、770円を超えた。日経平均の終値は、前日より737円43銭(5・15%)安い1万3589円03銭。4月23日以来約1カ月ぶりの安値だ。東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)の終値は、同44・45ポイント(3・77%)低い1134・42。出来高は44億7千万株。
23日から30日までの1週間(6営業日)で下落幅は2038円に達し、4月下旬から1カ月かけて積み上げた株価の上昇分が消えた形だ。リーマン・ショック後の2008年10月初めの2878円以来の大きさだ。東京証券取引所第1部の時価総額は1週間で48兆円吹き飛んだ。
東京に続いて取引が始まった中国などアジア市場も、連鎖的に株価が下落した。
株価急落を受け、より安全な資産である国債にお金を移す動きが強まっている。長期金利の指標となる「満期10年物国債」の利回りは、一時前日の終値(年0・935%)より0・065%幅低い0・870%をつけた。終値は0・045%幅低い0・890%。
外国為替市場では、円高ドル安が進んだ。午後5時時点は、前日同時刻より86銭円高ドル安の1ドル=100円83〜84銭。対ユーロでは、同12銭円高ユーロ安の1ユーロ=130円68〜72銭。