米マクドナルドなど数千人スト 66%賃上げ、労働組合の結成要求

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130731/mcb1307310505020-n1.htm
SankeiBiz 2013.7.31

(写真省略)米イリノイ州のマクドナルドの店内。米国内のファストフード業界では、賃金格差への不満からストが相次いでいる(AP)

マクドナルドやウェンディーズなど米ファストフード店で働く従業員数千人が賃上げを求め、29日にストライキに突入した。

ストを組織したのはニューヨーク・コミュニティーズ・フォー・チェンジやジョブズ・ウィズ・ジャスティス、アクション・ナウなどの団体。発表によると、ニューヨーク市とシカゴ、セントルイス、デトロイト、ミルウォーキー、カンザスシティー、ミシガン州フリントでストを決行した。

今回のストでは時給15ドル(約1470円)への賃上げを要求している。ファストフードの調理担当者の平均時給は9ドル2セントとなっており、66%の賃上げ要求となる。また、報復を受けることなく労働組合を結成する権利も要求している。労組SEIUが運動資金を提供し、ストを支援している。

米国では今年に入り、ファストフード業界と小売業界の従業員が賃上げを要求し、ストを起こしている。

4月には、シカゴやニューヨークで行われた米百貨店大手のメーシーズやランジェリー店チェーン「ビクトリアズ・シークレット」を展開するリミテッド・ブランズの従業員による賃上げストにマクドナルドの他にもヤム・ブランズ傘下のKFCやタコベルの従業員も参加した。

米プリンストン大学のジャネット・カリー教授は「『ウォール街を占拠せよ』運動や上位1%の富裕層との格差をめぐる議論などで、格差の広がりへの関心は高まっている」と述べた。

オバマ米大統領は2月12日、一般教書演説で連邦最低賃金を2007年に引き上げられた現状の7ドル25セントから9ドルに引き上げる提案をしたが、その後進展は見られない。

マクドナルドのトンプソン最高経営責任者(CEO)は先週のブルームバーグとのインタビューで、同社は連邦最低賃金を上回る賃金を支払っており、引き続きエントリーレベルの職を提供していくと述べている。

また、同社広報担当のオフェリア・カシヤス氏は「全米のマクドナルド店舗の過半数は独立経営下にあり、従業員は競争力のある賃金や柔軟なスケジュール、さらに質の高い妥当な手当てを享受している」と電子メールで答えた。

米労働統計局によると、レストランを含むレジャー・接客業の雇用が他業種部門を上回るペースで拡大し、6月の雇用者数は7万5000人増加している。(ブルームバーグ Leslie Patton)

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