研究者の有期雇用10年に延長 自民が研究開発力強化法改正案
日本経済新聞 2013/10/31
自民党の科学技術・イノベーション戦略調査会などの合同会議は31日、研究開発力強化法の改正案をまとめた。大学などが研究者を有期雇用できる期間の上限を従来の5年から10年に延長するほか、科学技術振興機構など3法人に対して現物出資の形で出資業務を認める。来週中に党内手続きを終え、他党にも参加を募ったうえで今国会に提出する。
改正案は労働契約法に特例を設ける。現在は、研究者らが有期契約から無期契約への変更を申し出るにあたり、2回以上の有期契約の通算期間が5年超であることが条件。改正案はこれを10年超に延長する。
有期契約期間を巡っては、5年に達する前に雇用を打ち切る「雇い止め」が問題となっている。一方、研究開発事業は一般に5年で終わらないことが多い。研究者が途中で事業を離れると研究成果にも悪影響を及ぼすことが懸念されていた。
研究開発法人による出資については研究成果である特許や機器などの現物出資を認める。科技振興機構のほかに産業技術総合研究所と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が対象だ。
改正案はこのほか、研究開発法人に関する新制度の創設に向け、必要な法的措置を速やかに講じることなどを明記した。労働契約法の特例と研究開発法人の出資は来年4月1日に施行し、その他は公布を施行日とする。