若者の過労自殺を議論 東京で過労死防止学会

NHKニュース 2017年5月20日 17時59分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170520/k10010988951000.html

過労死や過労自殺を防ぐため遺族や弁護士などで作る過労死防止学会が20日に開かれ、電通の新入社員が自殺した問題を受けて「若者の過労自殺」をテーマに意見が交わされました。この中で、6年前に息子が自殺した遺族は「命より大事な仕事はないし、きついと言える勇気は『逃げ』ではない」などと訴えました。

およそ100人が参加して東京・千代田区で開かれた学会では、おととしに電通の新入社員が過労のため自殺した問題を受けて「若者の過労自殺」をテーマに意見が交わされました。

この問題で労災申請を担当した川人博弁護士が講演し「若者の過労死や過労自殺の原因には長時間労働だけでなく、パワハラや不規則な勤務などが加わっていることが多い。新入社員に即戦力としてノルマを課すことを改め、ゆとりある研修期間やハラスメント対策を徹底することが必要だ」と指摘しました。

このあと、6年前に市役所に就職しておよそ5か月後に自殺した当時22歳の男性の父親が「息子は自殺するまでの残業時間が357時間に上っていた。命より大事な仕事はないし、きついと言える勇気は『逃げ』ではない」などと訴えました。

学会は21日も開かれ、過労死や過労自殺を防ぐための具体的な対策などについて議論されることになっています。

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