「固定残業代で算定は違法」判決(4/26)

 最近、固定残業をめぐる事例・事件が、少なくありません。関連記事を集めてみました(w)

 
□20190426NHK首都圏_「固定残業代で算定は違法」判決
 
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2019年04月26日 21時34分
 
 過労死した飲食店の店長への労災給付金の算定の方法が争われた裁判で、東京地方裁判所は、残業代が固定されている「固定残業代」の労働時間より実際の残業時間はおよそ2倍あり、かけ離れているとして国の決定を取り消す判決を言い渡しました。
 5年前、千葉県茂原市の飲食店で店長を務めていた当時50代の男性が急死し、労働基準監督署から長時間労働による過労死として労災給付金の支給が認められました。
労働基準監督署は、飲食店の経営会社が取り入れていたとする、残業代が固定された「固定残業代」の制度に基づき、支給額を算定したのに対し、男性の遺族は、実際の残業時間に基づいて算定すべきだと訴えました。
 26日の判決で、東京地方裁判所の佐久間健吉裁判長は、「店長の実際の残業時間は123時間から141時間で、『固定残業代』で想定される67時間のおよそ2倍と、かけ離れていて、この会社の『固定残業代』は、時間外労働の対価として支払われていたとはいえない」と判断しました。
 その上で、「固定残業代」が有効だという前提で、算定したことは違法と判断し、労働基準監督署の決定を取り消しました。
 遺族の代理人の古川拓弁護士は、「長時間労働の温床となっている固定残業代制度に警鐘を鳴らす判決で評価できる」と話しています。
 
【関連記事】
□アニメ制作会社「マッドハウス」社員は月393時間働き、帰宅途中に倒れた 過去には過労自殺も。知られざる「制作進行」の悲痛な叫び – 「文春オンライン」編集部
 
文春オンライン2019年04月22日 12:40
 
〈「サマーウォーズ」「時をかける少女」などで知られる日本テレビ子会社のアニメ制作会社「マッドハウス」に在籍中の制作進行Aさんが、未払い残業代の請求と長時間労働の改善、スタッフによるパワハラの謝罪等を求め、ブラック企業ユニオンに加入。本日、団体交渉を申し入れました!〉
 
・・・・・(中略)・・・・・
 
「マッドハウスは『時間外労働手当と深夜労働手当として、それぞれ50時間分の固定残業代を支払っている』としているようですが、50時間を超えて残業しても、残業代は1円も増えません。『定額働かせ放題』です。そもそも『固定残業代』について、入社前の説明は一切ありませんでした。計算すると300万円の未払い残業代が発生していると考えられます」
 
〔以下、略 →全文は、https://blogos.com/article/372552/〕
 
□固定残業分超える労働に残業代支払わず 電気通信工事業者を送検 伊万里労基署
労働新聞 2019.04.22 【送検記事】
 
 佐賀・伊万里労働基準監督署は時間外・休日労働に対する割増賃金の一部を支払わなかったとして、昭栄電設?(佐賀県伊万里市)と同社の代表取締役を労働基準法第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)違反の疑いで佐賀地検武雄支部に書類送検した。
 同社は電気通信工事業を営んでいる。代表取締役は平成28年11月1日〜29年3月2日までの間、労働者3人に時間外労働に対する割増賃金の一部を支払わなかった。また、労働者2人に28年12月1日〜29年2月28日までの間、休日労働に対する割増賃金の一部を支払わなかった。不払い総額は9万8397円となっている。
 同社は一定の時間の時間外・休日労働に対する割増賃金を毎月定額として支払う、いわゆる「固定残業代」を採用していたが、固定分を超えた労働時間に対して割増賃金を支払っていなかった。同労基署は支払うよう行政指導したが是正せず、送検に至った。代表取締役は容疑を否認しているという。
【平成31年3月27日送検】
 
□固定残業「96時間」をさらに超える違法残業 自販機ベンダーに是正勧告(弁護士ドットコム労働)2019/4/24
□固定残業代 労働条件を明記を…ブラック企業対策団体要請 2016/2/10
 

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