出生率1.42、3年連続減=18年生まれ最少91万人−人口減さらに加速・厚労省
時事通信 2019年06月07日15時45分
厚生労働省は7日、2018年の人口動態統計を公表した。1人の女性が生涯に産む子どもの推計人数を示す「合計特殊出生率」は1.42で、前年を0.01ポイント下回り、3年連続で低下した。
【図解】子どもの人口と総人口に占める割合
出生数は91万8397人で3年連続で過去最少を更新し、死亡数は戦後最多の136万2482人だった。死亡数から出生数を差し引いた自然減は44万4085人と初めて40万人を上回り、人口減少はさらに加速している。
合計特殊出生率は、15〜49歳の年齢別出生率を合算した数字。年齢層別で最も高かったのは30代前半で、20代後半が続いた。40代以上は前年より増えた。
□昨年生まれの赤ちゃん、最少91万人 出生率3年連続減
朝日新聞デジタル 浜田知宏 2019年6月7日19時11分
2018年に国内で生まれた日本人の子どもの数(出生数)は91万8397人で、統計がある1899年以降で最も少なかった。これまで最少だった前年を2万7668人下回った。出生数から死亡数を引いた自然減は44万4085人で過去最大の減少幅となり、少子化と人口減少が続く。厚生労働省が7日、18年の人口動態統計を公表した。
1人の女性が生涯に産むと見込まれる子どもの数を示す「合計特殊出生率」は、前年より0・01ポイント低い1・42で、3年連続で下がった。人口の維持に必要とされる2・07を大きく下回っている。都道府県別では沖縄が1・89で最も高く、東京が1・20で最低だった。政府は、子どもを作りたいという希望がかなった場合に見込める出生率「希望出生率1・8」の実現を掲げて少子化対策を進めているが、低下傾向が続いている。
出生数は、第2次ベビーブームが終わった1974年以降、減少傾向が続く。第2次ブームで生まれた団塊ジュニア世代が40代半ばになるなど、親になる世代の人口が減っているため、厚労省は今後も出生数は減り続けるとみている。
一方、死亡数は戦後最多の136万2482人。9年連続で増え、前年より2万2085人多かった。高齢化の影響で、2012年からは死亡数の7割超が75歳以上になっている。18年10月1日現在の人口は約1億2422万人で、65歳以上が28・5%を占めた。
結婚は6年連続で減り、58万6438組。前年より2万428組少なく、戦後最少を更新した。再婚の割合は夫19・7%、妻16・9%で、どちらも前年より0・2ポイント上昇した。離婚は20万8333組で、前年より3929組減った。
平均初婚年齢は14年から変わっておらず、夫31・1歳、妻29・4歳だった。都道府県別で最も低いのは宮崎で、夫29・7歳、妻28・7歳。最も高かったのは東京で、夫32・3歳、妻30・4歳だった。
厚労省の担当者は「少子化の理由には、子育てと仕事の両立の難しさや経済的事情などが考えられる。子どもを産みたい人が産める環境、安心して子育てできる環境を整えるための施策の促進が必要だ」と話す。(浜田知宏)