日本の教員「世界で最も多忙」 部活動が要因 OECD調査
日本の教員は世界の中でも最も多忙であることがOECD=経済協力開発機構の調査で明らかになりました。部活動などの課外活動にかける時間の長さがその大きな要因で、専門家は「海外の事例も参考にしながら働き方改革を進めるべきだ」と指摘しています。
この調査は、OECD=経済協力開発機構が世界各国の教員を対象に勤務実態や指導内容などを調べるため、5年に一度実施しています。
去年の調査には、日本の小中学校の教員およそ7000人を含む世界48の国と地域が参加し、その結果が公表されました。
このうち、中学校の教員の1週間の勤務時間は全体の平均が38.3時間だったのに対して、▽日本は最も長く56時間、▽カザフスタンが48.8時間、▽カナダが47時間、▽イギリスが46.9時間、▽アメリカが46.2時間などとなりました。
業務別にみると、日本は授業の時間は18時間で、ほかの国や地域と大きな差はありませんでした。
しかし、▽部活動などの課外活動が7.5時間と平均の4倍、▽書類作成などの事務作業も平均の2倍に上っていました。
去年の調査には、日本の小中学校の教員およそ7000人を含む世界48の国と地域が参加し、その結果が公表されました。
このうち、中学校の教員の1週間の勤務時間は全体の平均が38.3時間だったのに対して、▽日本は最も長く56時間、▽カザフスタンが48.8時間、▽カナダが47時間、▽イギリスが46.9時間、▽アメリカが46.2時間などとなりました。
業務別にみると、日本は授業の時間は18時間で、ほかの国や地域と大きな差はありませんでした。
しかし、▽部活動などの課外活動が7.5時間と平均の4倍、▽書類作成などの事務作業も平均の2倍に上っていました。
専門家「海外参考に働き方改革を」
今回の結果について調査分析に関わった国立教育政策研究所の杉浦健太郎総括研究官は「日本は教員が授業以外の業務に時間を費やす特徴があるが、海外は教員をサポートする支援員が充実しているなど教員が担う仕事の範囲が国によってだいぶ違う。海外の例も参考にしながら日本でも働き方改革を進め、教員が授業に自信を持てるようにすべきだと思う」と指摘しています。
OECD局長「強みを維持し業務見直すべき」
調査の結果についてOECDのアンドレアス・シュライヒャー教育・スキル局長が日本のメディアの取材に応じました。
日本の教員の長時間勤務の要因について、シュライヒャー氏は「日本が特殊なのは、教員が生徒の個別指導やクラブ活動、保護者の対応など教室以外の場所で責任を多く負わされていることだと思う」と分析します。
一方で、「授業以外の場で教員が生徒と深く交流し、生徒の人格形成に関与できるのは日本教育の強みでもある」とも話しました。
今、日本でも進められている心理士などの専門家が学校に入り教員との分業を図る方法については、先進地のイギリスを例に挙げて、「一見合理的なように見えるが子どもの全般に関わることができないという点で教員は幸福感を感じていない」と指摘します。
そして、「日本の子どもは学力も高く今までのやり方で結果も出している」と話したうえで、教員の働き方について「事務作業の負担軽減など子どもの福利厚生や学習に関わる業務以外の点で業務改善を行うことが大事だ。部活動もカリキュラムの中での位置づけを見直すなどまだ改善の余地はあると思う。日本の強みを維持したまま長時間労働の壁を乗り越えられるよう働き方を見直すべきではないか」などと指摘しました。