うつ病などで労災申請 過去最多に 30〜40代女性の増加目立つ
2019年6月28日 16時11分
長時間労働や仕事の強いストレスが原因でうつ病などの精神障害になったとして、昨年度に労災を申請した人は合わせて1820人と、過去最多となったことが分かりました。
(精神障害)
厚生労働省によりますと昨年度(平成30年度)、長時間労働や仕事の強いストレスが原因でうつ病などの精神障害になったとして、労災を申請した人は1820人に上りました。
これは前の年度より88人増えて6年連続の増加で、昭和58年度に調査を始めてから最も多くなりました。
精神障害で労災と認められたのは465人で、前の年度に比べて41人少なくなり、このうちいわゆる「過労自殺」をした人は未遂も含めて76人と、こちらも22人少なくなりました。
(脳・心臓疾患)
一方、長時間労働や不規則な勤務などによって、脳出血や心筋梗塞など脳や心臓の疾患を引き起こし、労災を申請した人は877人で、前の年度より37人増えて4年連続の増加となりました。
労災と認められたのは238人で、前の年度に比べて15人少なくなり、このうち「過労死」した人は82人でこちらも10人少なくなりました。
(増加目立つ年代層)
厚生労働省によりますと、労災を申請した人の中では30代と40代の女性と60代以上の高年齢者の増加が特に目立っているということです。
厚生労働省は「女性や高年齢者の働く人が増加したことで、労災を申請した人も増えたとみられる。こうした人たちも含めた働き方改革の推進や、職場環境の整備を企業に求めていきたい」としています。
女性と高年齢者の申請増加
うつ病などの精神障害になったとして労災を申請した30代と40代の女性は合わせて459人で、前の年度より86人、率にして23%増加しました。
労災と認められた人は94人で、前の年度より13人、率にして16%増えています。
一方、60代以上の高年齢者では、脳や心臓の疾患を引き起こして労災を申請した人が増え、昨年度は267人と、前の年度より28人、率にして12%増加しました。
労災と認められた人も41人と、前の年度より9人増え、中には70代で労災認定された人もいました。
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