男性社員の育児休業後の配置転換で、アシックスを提訴 (6/28)

 男性社員の育児休業後の配置転換で、アシックスを提訴 (6/28)

 
□「パタハラ」でアシックス提訴=「配置転換で嫌がらせ」−東京地裁
時事通信 2019年06月28日19時42分
 
 スポーツ用品大手のアシックス(神戸市)の男性社員(38)が育児休業明けに復帰したところ、希望しない部署に配置転換されるなどの「パタニティー(父性)ハラスメント」(パタハラ)を受けたとして、慰謝料440万円などを求める訴訟を28日、東京地裁に起こした。
 男性の支援団体によると、男性は2011年に入社し、スポーツ用品の販売促進などを担当。その後、人事部に異動し、15年2月から1年余り、18年3月からも約1年間育児休業を取った。最初に職場復帰した後は関連会社に出向し、倉庫で荷下ろしなどに従事した。約3カ月後に本社に戻ったが、現在も希望する営業職には戻れていないという。
 男性は「男性社員に育休を取らせないようにするための見せしめだと思う。提訴が、子育てしやすい環境を整える一助になれば」と話した。
 アシックスの話 訴状が届いていないので、コメントは差し控える。
 
□育児後の配置転換で提訴
テレビ東京 6月28日(金)
 
育児休業後のハラスメントをやめるよう会社を提訴しました。 大手スポーツ用品メーカー「アシックス」に勤める男性社員が、育児休業後に不当な配置転換をされたなどとして東京地裁に提訴しました。 男性は「アシックス」で販売促進や総務の仕事をしてきましたが、1年間の育児休業を取って、復職したところ、子会社への出向を命じられたということです。 子会社では、倉庫で荷物の運搬や備品の袋詰めなどの業務を指示されたとしています。 訴えによりますと、男性は会社と交渉し子会社から本社に戻った後も十分な業務が与えられず嫌がらせやいじめが続いたとしています。 育児休業後の不当な配置転換や、長期間にわたる嫌がらせが育児介護休業法に違反するなどとして、およそ440万円の支払いなどを求めています。 アシックスは「今後、裁判の中で事実を明らかにしていきたいと考えております。」とコメントしています。
 
□「パタハラ」などでアシックス男性社員が同社を提訴、育休復帰後初日の出向命令などを不当と訴え
HUFFPOST 2019年06月28日 19時05分 JST | 更新 2019年06月28日 19時09分 JST
 
育休明け初日に出向命令。アシックス側は「裁判の中で事実を明らかにしたい」とコメント。
 
泉谷由梨子
 
アシックス(本社・神戸市)の男性社員(38)が6月28日、パタニティハラスメント(パタハラ)やパワハラを受けたなどとして、同社を相手に東京地裁に提訴した。
 
男性社員は、育児休業から復帰した勤務初日に子会社出向を命じられたことは不当などとして、慰謝料約440万円の支払いや懲戒処分の無効化などを求めている。
 
代理人の笹山尚人弁護士は、「育休を取得した見せしめのような配転が行われるようでは、安心して子どもが育てられる社会にはならない」と提訴に踏み切った意図を話した。
 
ハフポスト日本版はアシックスに対して、男性に対する出向命令の経緯や男性の主張する点について見解を尋ねた。
 
同社は男性の主張についてはコメントを差し控えるとしつつ、「裁判の中で事実を明らかにしていきたいと考えております」としている。
 
パタハラ・パワハラ、男性側の訴え
訴状や代理人の説明によると、男性は2011年に同社の東京支社に入社した。前職で、アスリートへのプロモーション業務などを手がけており、同社でも当初はそうした業務に従事していた。
 
しかし、上司の飲酒運転や先輩社員の暴力について会社側に通報したことなどを契機に嫌がらせが始まり、本来の業務をさせなかったり、専門外の業務ができないことを理由に懲戒処分にするという種類のパワハラを受けたと男性側は主張している。
 
さらに、男性は「パタハラ」についても主張している。
 
2015年2月に第一子が誕生した後、当時は総務部に在籍していた男性は約1年間の育児休業を取得した。
 
復帰し出社した初日、男性は、茨城県にある倉庫での勤務となる「アシックス物流」に半月後に出向するよう命じられたという。そこでは、商品の入った段ボールの荷降ろしや検品など、肉体労働に従事することになった。
 
男性はその時点で、「出向は育児介護休業法違反のパタハラに当たる」と訴えて、東京労働局に申し立て。しかし、同局は法律違反とはいいがたいと判断したという。
 
その後、男性は弁護士を通じて会社と交渉。2016年7月に再び人事部に配置転換となった。
 
しかし、人事部では英訳など専門外の業務を求められ、会社側は男性を業務命令に従わなかったとしてけん責・減給の処分とした。
 
男性は2018年3月に第二子が誕生した後、2度めの育児休業を約1年間取得。この時も復帰後も同じように専門外の英訳などの仕事を命じられたという。
 
こうした一連の経緯を主張し、原告側は「能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや、仕事を与えない(過小な要求)」や「業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)」というパワハラや、育児休業の取得を理由にしたパタハラなどがあったと訴えている。
 
アシックス側は「ダイバーシティ推進に力」
 
アシックス側は男性社員の見解についてどう受け止めているのだろうか?
 
ハフポストの問い合わせに対して、アシックス秘書室コーポレートコミュニケーションチームの担当者は、以下のようにコメントを寄せた。
 
また、同社の育児休業取得実績についても尋ねたところ、2018年度は男性社員は3人(対象者の7.89%)、女性社員は7人(100%) との回答があった。
 
訴状が届いていないので、当社社員の言い分についてのコメントは差し控えさせていただきます。
 
当社はこれまで、当社社員の代理人弁護士や、当社社員が加入した社外の複数の労働組合も交えて順次、誠実に交渉を続けてまいりましたが、最終的な解決に至らずに残念です。当社としましては今後、裁判の中で事実を明らかにしていきたいと考えております。
 
当社は、ダイバーシティの推進に力を入れており、妊娠・出産・育児の期間にも人財が活躍できるよう、今後とも職場環境や支援制度の一層の充実に取り組んで参ります。
 
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