教諭の9割「教頭なりたくない」 長時間労働が影響 豊岡
時計2019/7/12 05:30神戸新聞NEXT
〔写真〕豊岡市役所
兵庫県豊岡市がこのほど、市内の小中学校の教諭にキャリアを尋ねるアンケートを初めて実施したところ、9割が教頭などの管理職に「なりたくない」と回答した。敬遠する理由には長時間労働が大きく影響しているとみられ、育児や介護との両立への不安が目立った。(石川 翠)
アンケートは「学校教員のキャリアと生活に関する調査」。ウェブ上で回答する形式で、5月下旬、小学校29校、中学校9校の計全38校に依頼し、教諭278人(52・2%)から回答を得た。
「将来、管理職になりたいと思うか」との問いに「あまりなりたくない」「絶対になりたくない」と回答したのは239人(86%)。理由を尋ねる項目(複数回答)では、現場の魅力を理由にした「担任を持って子どもと接していたい」(119人)も多かったが、「労働時間が長い」(89人)や「労働時間が増えると自分の家庭の育児や介護等との両立が難しい」(93人)なども目立った。
市は、長時間労働による敬遠を理由とする点を問題視する。市によると、昨年の超過勤務時間の1カ月平均は、教諭が46時間23分だった一方、教頭は67時間32分だった。
市は今後、男女差や要因などを詳細に分析する方針。現在の対応策としては、教頭が担当する「学校日誌」を含む出欠や成績といった情報を一括管理できる「校務支援システム」の導入などで業務の効率化を図っている。
6月には経済協力開発機構(OECD)が、日本の小中学校の教員の勤務時間が加盟国・地域などの中で最も長いとする調査結果を発表したことで、改めて教員の長時間労働の問題が注目され、国も改善を急いでいる。