国家公務員3万人削減 安倍内閣が新たな計画 サービス後退・健康破壊加速
しんぶん赤旗 2019年7月11日(木)
安倍内閣は6月末、2020年度から5年間で3万927人の国家公務員を削減する新たな「定員合理化計画」を決定しました。約30万人の国家公務員の1割を削減するもので、国民の公務・公共サービスを後退させ、公務労働者の健康破壊を加速させるものです。
新たな合理化計画は安倍内閣のもとで公務員の管理統制を強めている内閣人事局長通知として出されました。
「総額人件費抑制」の方針に基づいて、これまで5年間で10%減の合理化計画を引き続き実施するものです。
省庁別の目標は、財務省7162人、国土交通省6176人、法務省5372人、厚生労働省3394人などとなっています。合理化目標の根拠については示されていません。
国公労連が抗議
新たな計画では各省に対し毎年度、削減目標の5分の1を削減するよう求めています。
これまで新規増員は「厳に抑制」という方針が出されており、既存業務の増大については「自律的な組織内の再配置によることを原則」としています。
国・地方を合わせた日本の公務員数は国際的にもかなり少ないのが現状です。人口千人あたりで見ると、フランス89・5人、アメリカ64・1人に対し、日本は36・7人です。
新たな公務員削減計画について国公労連は公務・公共サービスを後退させるとして抗議する九後健治書記長の談話を出しました。
「これ以上の定員削減は、さらなる行政機関の機能のぜい弱を招き、国民の権利保障機能を低下させ、職員の健康破壊を加速させる」と批判。削減計画は撤回し、「行政需要にみあった定員の大幅増員による体制確保を求める」としています。
人員確保は急務
日本共産党は参院選政策で、「国家公務員の定員削減によって国民生活の向上や安全などの職務遂行に支障が生じている」と指摘。国家公務員が公務・公共サービスを国民に提供していく役割を果たすために、「定員合理化計画」は廃止し、「非正規職員の正職員化を含め、国民生活の安全・安心のための必要な人員を確保することは急務」と主張しています。