最低賃金、東京・神奈川は1000円超え 全国平均は901円に (7/31)

最低賃金審議会 結論、東京・神奈川は1000円超え 全国平均は901円に 

□最低賃金 あなたの都道府県は? 引き上げ目安額一覧
NHK News 2019年7月31日 11時55分
 
 
今年度の最低賃金の引き上げを議論してきた厚生労働省の審議会は、全国の平均で、27円引き上げて時給901円とする目安を示しました。最低賃金が時給で示されるようになって以降、最も大きい引き上げで、目安通りになると東京と神奈川は時給1000円を超える計算です。
 
引き上げ目安額一覧
引き上げの目安額を都道府県ごとにまとめました。目安額は、今後の都道府県ごとの労使の話し合いで金額が変わる可能性があります。
 
 
専門家「大都市と地方との格差が拡大」
最低賃金の引き上げについて、労働問題に詳しい日本総合研究所の山田久主席研究員は「人口が減り労働力不足になる中、賃金を底上げして消費を喚起したり、生産性を上げるために最低賃金を上げることは大変重要だ」と話しています。
 
一方で、ここ数年、およそ3%の大幅な引き上げが続いていることを踏まえ、「持続的に引き上げていくことは妥当だと思うが、あまり強引に引き上げると、特に中小企業ではかえって雇用を減らすことになりかねない」として、中小企業に対しきめ細かい支援が必要だと指摘しています。
 
 
また「過去10年間、大都市部を中心に最低賃金を上げてきた結果、地方との格差が拡大している」としたうえで、「あまりにも格差が大きすぎると地方から人が出て行くことが懸念される。地域間の格差を一定水準に抑えて、均等になるよう引き上げていくことが必要な局面に入っているのではないか」と指摘しています。
連合「地域間格差 一定の歯止めかかった」
今回示された目安について労働側の委員で連合の冨田珠代 総合労働局長は「東京と神奈川が初めて1000円に到達するなど高い水準となったことは主張が反映されたと受け止め、一定の評価はできると思う。しかし、800円以下の地域をすべてなくすことを目指していたもののこの部分は確保できず残念に思っている」と話しています。
 
また、地域間の格差を是正するため今回の議論の中で、労働側は初めて、DランクについてAランクを上回る引き上げ額となるように要求したと言うことで、「AランクとDランクの引き上げ額の差は2円と過去の目安に比べて縮まっており、地域間の格差には一定の歯止めがかかったと考えているが、今後も格差是正を目指していきたい」と話しています。
 
菅官房長官「早期に平均千円の実現を目指す」
菅官房長官は、31日午前の記者会見で、「安倍政権が目指す成長と分配の好循環の継続と拡大を実現するためには、最低賃金を含めた賃金の引き上げを通じた可処分所得の継続的な拡大と消費の活性化をつなげていくことが極めて重要だ」と述べました。
 
 そのうえで菅官房長官は、「政府としてはことしの骨太方針でも記載されているように、中小企業・小規模事業者に思い切った支援策を講じるなど、賃上げをしやすい環境を整備することと相まって、最低賃金をより早期に全国加重平均1000円になることを目指したい」と述べました。

 

□最低賃金の目安 東京 神奈川で時給1000円超 全国平均は901円

NHK Web News 2019年7月31日 5時23分
 
今年度の最低賃金の引き上げを議論してきた厚生労働省の審議会は、全国の平均で、27円引き上げて時給901円とする目安を示しました。最低賃金が時給で示されるようになって以降、最も大きい引き上げで、目安通りになると東京と神奈川は時給1000円を超える計算です。
 
最低賃金は、企業が従業員に最低限支払わなければならない賃金で、毎年、労使が参加する厚生労働省の審議会で引き上げ額の目安を示しています。
 
審議会は、30日午後から議論を重ねた結果、全国平均の時給で27円引き上げ、901円とする目安を示しました。
 
27円の引き上げは最低賃金が時給で示されるようになった平成14年度以降、最も大きい引き上げとなります。
 
引き上げ額の目安を地域別に見ると
▽東京、大阪、愛知などのAランクが28円
▽京都、兵庫、広島などのBランクが27円
▽北海道、宮城、福岡などのCランクが26円
▽青森、愛媛、沖縄などのDランクが26円となっています。
 
今後、示された目安をもとに都道府県ごとに最終的な額が決定しますが、仮に目安通りになった場合、東京が1013円、神奈川が1011円と、初めて時給1000円を超える計算です。
 
最低賃金は昨年度まで3年連続でおよそ3%の大幅な引き上げが行われていて、政府が全国平均をより早期に時給1000円に引き上げるという目標を掲げる中、今回も、経営者側が大幅な引き上げを認める形で決着しました。
 
連合「一定の評価できる」
今回示された目安について、労働側の委員で連合の冨田珠代総合労働局長は「東京と神奈川が初めて1000円に到達するなど高い水準となったことは主張が反映されたと受け止め、一定の評価はできると思う。しかし、800円以下の地域をすべてなくすことを目指していたものの、この部分は確保できず残念に思っている」と話しています。
 
また、地域間の格差を是正するため今回の議論の中で、労働側は初めて、DランクについてAランクを上回る引き上げ額となるように要求したと言うことで、「AランクとDランクの引き上げ額の差は2円と過去の目安に比べて縮まっており、地域間の格差には一定の歯止めがかかったと考えているが、今後も格差是正を目指していきたい」と話しています。
各地域の引き上げ額の目安
最低賃金の引き上げ額の目安は地域の経済実態などにあわせて都道府県をAからDまでの4つのランクに分けて示されます。
 
▽Aランクは、埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪の6つの都府県で、引き上げの目安は28円とされました。
 
▽Bランクは、茨城、栃木、富山、山梨、長野、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、広島の11の府と県で、引き上げ額の目安は27円とされました。
 
▽Cランクは北海道、宮城、群馬、新潟、石川、福井、岐阜、奈良、和歌山、岡山、山口、徳島、香川、福岡の14の道と県で、引き上げ額の目安は26円とされました。
 
▽Dランクは青森、岩手、秋田、山形、福島、鳥取、島根、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の16の県で、引き上げ額の目安は26円とされています。

□最低賃金、東京・神奈川は1000円超え 全国平均は901円に 

日経新聞2019/7/31 5:23
 
最低賃金の引き上げ額の目安を決める中央最低賃金審議会(30日、東京・中野)
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最低賃金の引き上げ額の目安を決める中央最低賃金審議会(30日、東京・中野)
 
厚生労働省の中央最低賃金審議会(厚労相の諮問機関)は31日早朝、2019年度の全国の最低賃金の目安を27円引き上げて時給901円とする方針を決めた。東京都と神奈川県は初めて1000円を超えた。政府は19年度の経済財政運営の基本方針(骨太の方針)でより早期に全国平均で1000円を目指す方針を明記。4年連続の大幅引き上げ幅となった。
 
最低賃金は法律で支払いを義務づけた最低限の時給を指す。経営者と労働者の代表に学者を加えた公労使で構成する同審議会が年1回、引き上げの目安を決める。この目安をもとに各都道府県で議論し、10月をメドに改定する仕組みだ。
 
都道府県ごとに示した引き上げ額の目安は28〜26円。最も高い東京都は目安通り引き上げた場合、1013円になる。神奈川県は1011円だ。
 
最低賃金について、労働側は地域間格差の是正や、10月の消費増税による影響などを踏まえ、大幅な引き上げを求めてきた。一方、経営側は国内の経済情勢の先行き不透明感への懸念などから反対の立場を示していた。日本商工会議所は5月、中小企業の経営状況を考慮した水準にするように緊急要望を出した。
 
政府は16年に最低賃金を毎年3%程度引き上げる方針を表明。6月の骨太の方針では早期に全国平均1000円を目指すとして、3%超に引き上げのペースを加速するよう求めていた。
 

 

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