未払い賃金を求め中国人実習生訴え 北方の縫製会社 (8/7)

未払い賃金を求め中国人実習生訴え 北方の縫製会社
中日新聞  2019年8月7日
 
 外国人技能実習制度で来日した中国人実習生と岐阜一般労働組合が六日、北方町の縫製会社(破産手続き中)に対して未払い賃金など一人あたり五百五十万円の支払いを求めるとして、県庁で記者会見した。
 
 組合によると、実習生は二〇一六年十月に来日した三十〜五十代の女性六人。基本給のほか時給三百〜六百円の残業代などで働いていた。毎月の給与から五万円は帰国時にまとめて支払うとして同意なく天引きされた、と主張している。
 
 会社側は今年六月下旬、実習生に倒産を通告。最低賃金法などに沿った賃金と支払額との差額、天引き分(三十一カ月)などが未払いという。中国の送り出し機関から実習生に「組合を脱退して帰国すれば、月額五万円の天引き分を返還する」との趣旨の連絡があり、五人は帰国したという。
 
 会見した実習生の女性(53)は「一年目は四日間しか休みがなかった。お金を払わないで破産するのは理解できない」。組合の甄凱(けんかい)・第二外国人支部長は「安い賃金で働かせる人身売買。問題を社会的に知ってもらいたい」と訴えている。
 
 会社側の代理人弁護士は取材に「岐阜地裁に破産手続き開始を申し立て、受理された。支払い能力がなく、裁判所の判断を待ちたい」と回答した。
 
 (安福晋一郎)

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