建設業・メディア業界「長時間労働削減を」過労死白書 (10/1)

建設業・メディア業界「長時間労働削減を」過労死白書
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NHK News 2019年10月1日 12時56分

ことしの「過労死白書」がまとまり、昨年度の過労死や過労自殺は過去10年間で最も少なくなったものの、依然、高い水準が続いているとして、特に建設業やメディア業界について、業界全体で長時間労働の削減に向けた取り組みが必要だと指摘しています。

1日閣議決定された過労死等防止対策白書=「過労死白書」によりますと、昨年度、過労死や過労自殺した人は158人で、過去10年間で最も少なくなったものの、依然高い水準が続いているとしています。

年代別でみると、40代が最も多く47人、次いで50代が46人、30代が26人、60歳以上が20人、20代が19人となっています。

今回は長時間労働が多いと指摘されている建設業とメディア業界について初めて分析が行われました。

建設業では平成22年からの5年間に、脳・心臓疾患による過労死と認定された人が78人、精神障害による過労自殺が54人でした。

このうち過労自殺のケースを詳しく分析したところ、現場監督が30人と最も多く、主な要因として、長時間労働や業務量の変化、上司とのトラブルなどを挙げています。

メディア業界では、過労死が10人、過労自殺が4人で、過労自殺についてはすべて20代だったということです。

主な要因としては、恒常的な長時間労働や、2週間以上の連続勤務を挙げています。

白書では分析の結果を踏まえ、いずれの業界も長時間労働を削減することが重要だとして、業界全体で働き方改革を進めることや、残業などの負担が大きい若年層の職場環境の改善が必要だと指摘しています。

メディア業界 労災認定は5年間で22人
「過労死白書」によりますと、メディア業界で平成22年から27年までの5年間に脳や心臓の疾患で労災と認定されたのは22人です。

業種別にみると、放送業と広告業がそれぞれ9人、次いで出版業が3人、新聞業が1人となっています。

労災と認定された要因別にみると、すべて長時間の過重業務でした。

この中には6年前の平成25年7月、NHKの首都圏放送センターで記者をしていて心不全で亡くなった佐戸未和さん(当時31歳)も含まれています。

NHKは「佐戸未和さんの過労死を重く受け止め、公共放送をともに支える大切な仲間を失うようなことはあってはならないと考えている。NHKグループが一体となって長時間労働に頼らない組織風土づくりや業務改革を今後も進めていきたい」としています。 

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