建設「一人親方」 乏しい保護・権利 全建総連分調査で鮮明 (10/3)

建設「一人親方」 乏しい保護・権利 全建総連分調査で鮮明

しんぶん赤旗 2019年10月3日

休業補償は低水準 ■ 安全経費まともに請求できず

 建設業で働く個人事業主である「一人親方」の実態を把握するため、厚生労働省が2018年末までに全国建設労働組合総連合(全建総連)など建設業関係団体を通じて行った初のアンケート結果がこのほど明らかになりました。仕事の受注方法や労災保険、安全経費など十分保護・保障されていない実態が浮き彫りになりました。

 アンケートは約4万2000件の回答があり、このうち全建総連が取りまとめた約3万9000件を建設政策研究所が集計、分析しました。

 職種は大工33・6%、電気工事9・6%、内装工8・2%などでした。平均年齢は54・7歳。働き先では地元工務店が40・4%、次いで住宅メーカー20・2%、ゼネコン11・9%などとなっています。

 仕事の受注方法を働き先別にみると、「出来高払い」はゼネコンで62%、住宅メーカーで57・7%を占めます。一方、地元工務店は「出来高払い」(38・2%)のほか「材工込み」(25・2%)、「発注者から直接仕事を請け負うことがある」(24・3%)もあり、不動産会社も同じ傾向でした。

 労災保険の給付基礎日額で、最も多いのが5000円(30・4%)、次いで6000円(11・8%)、4000円(9・4%)。休業補償としては低水準であることが分かります。

 労働災害防止対策など安全経費について、「書面で契約しないことが多い」は34・6%、「必要な経費を認められている」21・5%、「安全経費を含めた見積もりを提示したことはない」16・5%でした。

 働き先別でみると「契約しない」は、ゼネコン33・6%、住宅メーカー32・9%だったのに対し、地元工務店38・6%、不動産会社38・8%と比較的高い傾向です。「必要な経費を認められている」は、ゼネコン29・9%、住宅メーカー24・0%で、地元工務店18・3%、不動産会社21・0%でした。

 安全経費をまともに請求できていないのが実態です。 

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