非常勤講師 “残業代支払いを”
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20191114/3000007704.html
NHK News 2019年11月14日 19時11分
名古屋市の公立学校で働く非常勤講師が、残業代が支払われていないとして14日、労働基準監督署に申告を行いました。
申告を行ったのは名古屋市の小中学校で働く非常勤講師で、14日は、3人が天白区にある名古屋東労働基準監督署を訪れました。
名古屋市の小中学校や高校、特別支援学校では、特定の教科の授業を担当するなどの非常勤講師が約1100人働いていて、給与は契約時間に基づいて支払われています。
テストや成績の作成などで残業を行っている講師も多くいますが、契約時間以外は勤務時間とされず、残業代は支払われていません。
非常勤講師を支援する市民団体の呼びかけで、ことし6月から9月にかけてのべ12人の非常勤講師が残業時間を記録したところ、ひと月あたり平均で約20時間にのぼり、中には、78時間の残業を行った講師もいたということです。
市民団体は、10月、名古屋市教育委員会に支払いを求めましたが、認められなかったため、労働基準監督署に申告したということです。
申告を行った非常勤講師の七海純子さんは「残業代が支払われていなくてもこれまで多くの非常勤講師が声を上げられないでいた。勤務時間を管理し必要な残業は認めてもらうきっかけにしたい」と話しています。
また、教員の働き方に詳しい松丸正弁護士は「教員の残業は自主的・自発的な勤務で労働時間ではないという、労基法上では異常な考え方があるのが学校だ。しかし、非常勤講師は労基法の対象なので声を上げることは重要な取り組みで、校務に必要な残業であれば残業代は支給されるべき」と話しています。
一方、名古屋市教育委員会はNHKの取材に対し「非常勤講師の残業はそもそも想定しておらず、契約した時間内で仕事を終えてほしい」と回答しています。