トランクルームに住む40代のその後。3か月間滞納、ホームレス状態に…
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191224-01632752-sspa-soci
2019/12/24(火) 8:55配信 日刊SPA!
〔写真〕トランクルーム1畳半に住んでいた落合健太さん(仮名・44歳)。いまは知人の倉庫で寝泊まりしているという
日本社会はどこに向かうのか―。経済危機が迫るなか、市民の「格差」はより拡大し、中流が新たに転落、下流はさらに困窮。一方、今まで放置されてきた人たちがさまざまな事件を起こし、令和時代の新たな「負け組」を生み出している。負け組すら多様化した日本の今に迫る!
⇒【写真】週刊SPA!9月10日号特集「年収100万円の衝撃」では貸倉庫難民だった落合さん
住まいを求める年収100万円貧困者の仮宿はより悲惨に!
「失われた30年」から抜け出すために、政府や日銀は金融緩和を行っているが……増税で相殺され手遅れか。格差社会はますます広がりを見せはじめ、令和に新たな「負け組」が生まれている。その最たる被害者に挙げられるのが、就職氷河期を経験した30代後半〜40代中盤までの“ロスジェネ世代”と呼ばれる報われない者たちだ。
’20年度の厚生労働省の予算には、この世代の就労支援に603億円が組み込まれるなど対策が講じられることも決まったが、一方で当事者からは「もう這い上がれない」といった声が上がっているのもまた事実だ。
例えば週刊SPA!’19年9月10日号で取り上げた貸倉庫難民の落合健太さん(仮名・44歳)もその一人だ。彼は非正規雇用を転々とするも’08年に当時横行していた「派遣切り」を機に転落する。年収100万円で家賃を滞納し、本来居住を許されていないトランクルームで息を潜めて2年間も暮らしていた。
同記事はネットを中心に大きな反響を呼び、編集部には「落合さんを救いたい。我が社で働かないか」と企業数社から支援のメールが届くほどだった。そこでSPA!では就職支援の話とともに近況を伺いに、再び落合さんに接触を図ったが……。
就労支援の話を振ってみたら……
「本来住んではいけないトランクルームなのに、さらに賃料を3か月間滞納。荷物すら置けず出ていくことになりました。一時は野宿やネットカフェで過ごすなど、ほぼホームレス状態でしたね」
唯一支払っていた生命線の携帯電話で、SNSに「苦しい」と投稿。それを見た知人から手を差し伸べられたという。
「今はかつて付き合いのあった地下アイドル事務所の“倉庫”に、エアベッドを膨らませて住んでいます。仕事もライブの手伝いから、社長の犬の散歩まで……。月給5万〜6万円ですが、以前よりもマシな生活です」
貸倉庫を引き払い、知人の事務所の倉庫で寝泊まりしている落合さん。
「頼れる親類もいないので社長には感謝しかない。冬は底冷えでキツいですが、それでも貸倉庫よりは100倍マシです」
そんな落合氏に就労支援の話を振るも、意外な答えが返ってきた。
「今まで幾度となくハローワークには行ってきたが、結局紹介されるのは日雇いと大差のない低賃金の仕事ばかり。40代後半でイチから就職して20代と一緒の平社員はどうしても厳しい。もう、国なんて信用できない。今さら幸福な老後なんて迎えられるわけがない」
植え付けられた“負け”の思いからは、なかなか抜けられない。
<取材・文/週刊SPA!編集部>
※週刊SPA!12月24日発売号の特集「[令和版]負け組の衝撃」より
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