総務省のキャリア官僚の自殺 公務災害に認定 (12/25)

自殺した総務省官僚の遺族「なぜそこまで追い込まれたのか」、労災認定にも悔しさにじませ
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2019年12月25日 15時07分 弁護士ドットコム

〔写真〕記者会見した川人博弁護士(左)ら代理人(2019年12月25日/弁護士ドットコム撮影)

総務省のキャリア官僚だった男性(当時31歳)が2014年3月に自殺したことが、公務上災害(労災)として、同省に認定されたことがわかった。認定は、12月23日付。遺族の代理人をつとめる川人博弁護士が12月25日、東京・霞が関の厚労記者クラブで会見して明らかにした。

川人弁護士によると、総務省は認定の理由を明らかにしていないが、おそらく長時間労働による過重労働・業務上のストレスが原因で、うつ病になった(2013年11月30日発症)と認められた。2020年1月ごろ、認定の理由が開示される予定だという。
男性の遺族は、代理人を通じて「公務上災害と認定されたが、息子が帰ってくるわけではない」とコメントした。

●時間外労働は月135時間にのぼった

男性は2008年4月、いわゆるキャリア官僚として総務省に入った。消費増税(2014年)の対応などに忙殺されたあと、2014年3月に都内の自宅アパート亡くなった。川人弁護士によると、総務省は自殺原因を調査したが、結論を出さず、あいまいなまま放置していたという。
遺族から相談を受けて、川人弁護士らが勤務実態を調べたところ、資料から、男性の亡くなった月の時間外労働(残業)は、過労死ラインを超える135時間にのぼっていたことがわかった。消費増税(2014年)の対応などで忙殺されていたという。
両親はことし10月、総務省に公務上災害の認定をもとめる申請をおこなっていた。

●母「息子の代わりはいません」

男性の遺族は、代理人を通じて、次のようなコメントを発表した。
「このたび、息子の死亡が公務上災害と認定されましたが、息子が帰ってくるわけではありません。あれほど頑張り屋だった息子が、自分で亡くなってしまうほどに、なぜそこまで追い込まれることになってしまったのか、明らかになることを望んでいます」(父)
「今回、提出した資料などをみていると、息子からサインが出されていたのに、こうなってしまう前に防げたのではないか、と悔しい気持ちです。省庁に代わりの職員はいても、私たちの家族にとっては、息子の代わりはいません。公務上災害と認定されましたが、二度とこのようなことがないように対処してほしいと思います」(母)

●総務省「ご冥福を祈りします」

総務省は、弁護士ドットコムニュースの取材に「職員のご冥福をお祈りします。ご遺族のみなさまのご心痛をお察し申し上げます」とコメントした。


総務省のキャリア官僚の自殺 公務災害に認定
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191225/k10012227961000.html?utm_int=nsearch_contents_search-items_005
NHK News 2019年12月25日 15時17分

総務省に勤めていた31歳のキャリア官僚が、5年前に自殺したのは長時間労働によって、うつ病を発症したことが原因の過労自殺だとして、公務災害に認定されたことが分かりました。

公務災害に認定されたのは総務省に勤めていた当時、31歳のキャリア官僚の男性で25日、代理人の弁護士が会見を開きました。

それによりますと、男性は総務省大臣官房企画課の係長だった5年前の3月、都内の自宅アパートで自殺しているのがみつかったということです。

当時、男性は消費増税への対応などで業務量が増えていて、うつ病を発症した直前の1か月の時間外労働は135時間にのぼっていたということです。

総務省は、こうした長時間労働が原因でうつ病を発症したとして23日、公務災害に認定しました。

両親は、男性が死亡した直後から総務省に対して原因を調べるよう求めていましたが、5年たっても説明がなかったためことし10月、公務災害の申請をしていました。

男性の両親は弁護士を通じてコメント出し「公務災害と認定されましたが息子が帰ってくるわけではありません。あれほど頑張り屋だった息子がなぜそこまで追い込まれることになってしまったのか、明らかになることを望んでいます」などとしています。

代理人の川人博弁護士は「長時間労働の原因には行政だけでなく、国会の問題もあるはずなので、国会も含めて国家公務員の働き方について考えていくべきだ」と話しています。

総務省「職員の声反映させる」
公務災害の認定を受けて総務省は、「亡くなられた職員のご冥福をお祈りするとともに、遺族の方にお悔やみ申し上げます。総務省としても働き方改革に職員の声を反映させるよう取り組んでいるところで、二度とこうした悲しいことが起こらないように取り組んでいきたい」とコメントしています。 

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