勤務医の労働時間、兼業先も通算して上限規制へ – 厚労省方針
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2019/12/26(木) 19:39配信医療介護CBニュース
勤務医の労働時間、兼業先も通算して上限規制へ – 厚労省方針
〔写真〕26日の検討会の様子(26日、東京都内)
医師の働き方改革の推進策を話し合う検討会が26日開かれ、厚生労働省は、複数の医療機関に医師が勤務する場合、それら全ての勤務時間を通算して上限を規制する内容の取りまとめ案を出した。現在の労働基準法や国のガイドラインでは、一般の労働者が副業や兼業を行う場合、その分を通算して労働時間に関する規定を適用することとされており、それと同じ扱いにする。【兼松昭夫】
厚労省案では、それによって医師や医療機関、医療の提供体制にどのような影響があるかを考慮する方向性も示したが、労働基準局の担当者は、「医師の健康を確保することが地域医療を守ることにつながる」と話した。
また、今村聡構成員(日本医師会副会長)は意見交換で、医師の引き揚げが起きるリスクを指摘して慎重な対応を要請。一方、村上陽子構成員(連合総合労働局長)は、「(医師の働き方改革では)一般則よりも手厚い健康確保措置が必要だ」と主張した。
医師の働き方改革を巡っては、時間外労働の上限を2024年4月以降、原則として年960時間・月100時間未満に罰則付きで規制する大枠が3月に固まった。その上で、救急医療など地域に不可欠な医療の業務に従事する勤務医や、十分な技術を身に付けるため一定の期間に集中して診療に従事する必要がある研修医・専攻医らを想定し、年間での上限を1,860時間に緩和する特例をそれぞれつくる。
月の時間外労働が100時間に達すると見込まれる勤務医の健康を確保するため、医療機関には、産業医らの面接指導を医師にあらかじめ受けさせるなどの対応が求められる。また、時間外労働の上限が年1,860時間に緩和される医師の勤務は1回当たり28時間に制限され、次の勤務が始まるまでに9時間のインターバル(休息)を確保しなくてはならない。
26日の厚労省案では、複数の勤務先の労働時間を通算して時間外労働が月の上限を超えそうな場合に面接指導の実施を求める方向性も示した。同省の担当者は会合後、「副業・兼業副業を含めて(勤務間インターバルや産業医らの面接などの)健康確保措置を取れないという意見はなかった」と話した。
厚労省は当初、医師の働き方改革の推進策を年内に固める方針を示していたが、吉田学医政局長はこの日、年明け以降も議論を継続させる方針を示した。
医師の勤務実態を明らかにするため同省は9月、全国の医師14万超を対象に調査を実施した。年明け以降に集計結果を報告する。
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