ウーバーイーツ配達員への「傷害補償」は十分? ユニオンが事故調査はじめる (1/7)

ウーバーイーツ配達員への「傷害補償」は十分? ユニオンが事故調査はじめる
https://www.bengo4.com/c_5/n_10630/
弁護士ドットコム 出口絢 2020年01月07日 16時50分

会見したウーバーイーツユニオンのメンバー(2020年1月7日、東京都、弁護士ドットコム撮影)

フードデリバリー「ウーバーイーツ(Uber Eats)」の配達員でつくる「ウーバーイーツユニオン」は1月7日、配達員の事故について調査する「事故調査プロジェクト」を始めると発表した。5月には調査結果を取りまとめて報告する予定。

ウーバー側は配達員の事故がどのくらい起きているか公表しておらず、調査で実態を明らかにするのが狙い。
ユニオンは同日、東京・霞が関の厚労省記者クラブで記者会見を開き、「今の傷害補償制度の内容が妥当なものか検証する必要がある」と話した。

●「アカウント停止」ちらつかされ

調査は、NPO法人「東京労働安全衛生センター」協力のもとGoogleフォームで実施。怪我の内容や治療費の自己負担額、ウーバー側の対応などを記入してもらい、協力者には詳細なヒアリングも行う。
ウーバー側は昨年10月1日から、全ての配達員を対象に、事故にあった際の見舞金を支払う「傷害補償制度」の提供を開始した。しかし、ユニオンには、配達員がウーバー側に事故を報告すると「今後同じことがあればアカウントを停止する」と言われたり対応してくれなかったりする事例が寄せられているという。

また、補償されるのは、配達リクエストを受けて店に商品を受け取りに行く時点から配達が完了する時点までの間の事故に限られ、治療や入院費にも上限がある。
「東京労働安全衛生センター」の天野理さんは「労災保険は通勤災害も対象。ウーバー側の見舞金は、非常に対象が狭い」と指摘。「ウーバー側が提供している今の制度が十分なのか。また、労災保険制度が今のままでいいのか。どのような問題があるのか分析したい」と話した。

また、川上資人弁護士は「ウーバーは配達員に頼って利益をあげている。配達員がけがをした時に、ウーバーという企業がコストを払わなくていいというのはおかしい。現状の日本の制度は新しい働き方を捕捉できておらず、そのしわ寄せを受けているのが配達員だ」と話した。
ユニオンの土屋俊明さんは「私たちは実際に事故に遭われた方の気持ちを聞きたい。この調査は、『一人じゃないよ、我々がいるよ』ということの表明でもあります」と呼びかけた。

●アンケートフォームはこちら

「事故調査プロジェクト」のアンケートフォームは以下。
https://docs.google.com/forms/d/1eRINNrRfJVCOFdHfWWloD5m-vNHEw7r2sTjjgggjGrc/viewform 


ウーバーイーツ労組、事故・補償の実態を調査
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54125440X00C20A1TJ2000/
日経新聞 2020/1/7 18:34

食事の出前サービス「ウーバーイーツ」の配達員でつくる労働組合は7日から、配達員の交通事故や補償の実態調査を始めたと発表した。ウーバージャパン(東京・渋谷)は2019年10月に配達員への補償制度を拡充している。組合側は調査結果を基に一段の制度の充実を訴える。ウーバーイーツの配達員のような単発で仕事を請け負う「ギグワーカー」も労災保険の適用対象とするよう求める。

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ウーバーイーツユニオンの前葉執行委員長(写真右)は「安全に仕事をしていくためのデータベースを作る」と話す(7日、東京・千代田)
労働組合「ウーバーイーツユニオン」が、労災を巡る相談などを手掛けるNPO法人、東京労働安全衛生センターと連携して調査する。インターネット上で配達員に事故の状況や、実際に受けた補償の内容についてのアンケート調査を実施。回答者を対象に聞き取り調査も行う。集計結果は5月末をメドに公表する。
東京労働安全衛生センターの天野理氏は現在のウーバーイーツの補償制度について「補償の対象となる『配達中』の定義が狭い。過労などの疾病も対象外で懸念すべき点は多い」と指摘する。またギグワーカーの労災被害についてはデータがないため「実情を分析し、労災保険制度がこのままでいいのかどうかを検討する材料にしたい」と話す。
ウーバーイーツユニオンは19年10月の結成以来、ウーバー側に団体交渉を求めているが「労働組合法の上では『雇用する労働者』に該当しない」として拒否されている。
来月までに労使紛争の解決機関である労働委員会に、団交の実施について申し立てる方針だ。今回の調査内容と併せて配達員の就労環境の改善やギグワーカー向けの労災制度の整備などを呼びかけていく。


ウーバーイーツ労組、配達員事故を調査へ 補償など検証
https://www.asahi.com/articles/ASN1756MRN17ULFA01B.html
朝日新聞デジタル 吉田貴司 2020年1月7日19時52分

写真・図版
労組の配達員は、ウーバーの配達員や店舗に情報提供を呼びかけるカードを配って情報を募るという

 飲食宅配代行サービス「ウーバーイーツ」の配達員でつくる労働組合「ウーバーイーツユニオン」は7日、業務中の事故の全国調査を始めると発表した。代行サービスは全国の都市部で展開されているが、ウーバーとの雇用契約がない配達員は労災保険の適用外だ。ウーバー側は代替策として昨年10月から見舞金制度を設けたが、事故の情報は開示しないため、ユニオンで独自に調べ、補償の範囲が十分かなどを検証する。3月末までに事故の状況、治療費の自己負担額、ウーバー側の対応などの情報をユニオンのホームページに寄せてもらい、5月に結果を公表するという。

 ユニオンで調査を担当する配達員の土屋俊明さん(43)は記者会見で「配達員が安全に仕事をするため、避けがたい事故にあわれた方の声を聞いていきたい」と話した。

 労災に関する調査研究活動を行うNPO法人・東京労働安全衛生センターが協力する。同センターの天野理氏も会見に同席し、「事故のデータを分析し、見舞金制度が不十分でないか調べていきたい」と話した。(吉田貴司)
 

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