「上司もサブスク」外注・シェアする時代。黒字リストラ逆手に管理職紹介サービス増加 (1/17)

「上司もサブスク」外注・シェアする時代。黒字リストラ逆手に管理職紹介サービス増加
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2010/01/17(金) 8:10配信 BUSINESS INSIDER JAPAN

「上司もサブスク」外注・シェアする時代。黒字リストラ逆手に管理職紹介サービス増加
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40代からリストラ対象になる時代が、やってきている。2019年にも相次いだ企業の早期退職者募集の流れで特徴的なのは業績不振のみならず、業績好調の企業でもリストラ、いわゆる「黒字リストラ」に踏み切っていること。企業はデジタル化やテクノロジーの進化に合わせ、組織の新陳代謝を図ろうとしている。

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そんな中、管理職やリーダー層を社外へ外注するサービスが注目を集めている。

マネージャー経験者や高いスキルの人材を企業に紹介するものだが、管理職層の副業や社外での腕試しの場としても人気で、登録者数は右肩上がり。黒字リストラやリストラの低年齢化を受け、「いつ自分も会社を離れるか分からない」と考え始めた働き手のニーズと、ベンチャー企業を中心とした管理職人材の不足がマッチしているようだ。

「40代以降の人生を考え直さずにいられない」
「氷河期の就活が厳しい時に入った会社なので、定年まで勤めてもいいかなと思っていましたが。早期退職募集のあたりから、明らかに雰囲気が変わりました」

そう話すのは都内の一部上場企業に勤めるユウジさん(41=仮名)。ユウジさんの会社は最近、希望退職募集を始め、ニュースにもなった。対象となる45歳以上がポロポロと辞め出すのと同時に、退職を望んでいなかった人と退職を勧めようとする会社の間で、険悪なムードになったのには、いたたまれない気持ちになった。

「優秀な人から転職してしまい、行き場のない人が残った感じです。残った人にも会社への不信感が高まって、職場の雰囲気ははっきり言ってよくない」

早期退職により、現場は人が抜けて玉突き人事が起こり、ユウジさんも未経験の部署に異動になった。一連のことをきっかけに、ユウジさんは転職サービスに登録。「自分の世代は人数が多くないので、退職金割り増しで早期退職の対象にはならない。とはいえ、いやでも40代以降の人生を考え直さずにはいられない」という。

管理職や役員クラスの登録が3割増
「定年まで今の会社にいるとは限らない」──。そう考える人は増えている。それと連動するように中堅以上の社員の、第二の人生の選択肢となるサービスも伸びている。

「面白いプロジェクトがあれば参加したいという、早期退職プログラムに手をあげて会社を退職した管理職や役員クラスの人の登録はこの1〜2年で増えています」

そう話すのは、マネジャー以上クラスの人材を企業に派遣する「管理職派遣」を手がけてきた、エンワールド・ジャパンのシニアマネージャーの星野ファビアンさんだ。

同社は、外資企業を中心に、語学スキルかつ専門知識と経験をもつグローバル人材の派遣を手がけている。

「2018年10月〜2019年9月では前年同期比で、全体の登録者が3割近く増えています。そのうち50代は4割増、マネージャー以上役員クラスも同34%増です」

もともと女性の採用が増える中で産休・育休中のカバー、1〜2年単位のプロジェクトのリーダー職などへ人材を派遣してきた。しかしここにきて、ハイキャリアの男性が「第二の職場」を探す事例が増える傾向があるという。

「変化の激しい時代に、新規事業の立ち上げや起業も増えています。経験豊富な人材をピンチヒッターとして頼んだり、新しい風やアイデアを吹き込むことを期待したりして、利用しているようです」(星野さん)
 

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