熊本)JNC子会社解散めぐるシンポ 水俣 (2/9)

熊本)JNC子会社解散めぐるシンポ 水俣
https://www.asahi.com/articles/ASN286S49N28TLVB006.html
朝日新聞 奥正光 2020年2月9日 9時00分

写真・図版 シンポジウムで話すくまもと地域自治体研究所の中島熙八郎理事長(左)ら=2020年2月8日午後1時36分、熊本県水俣市公民館、奥正光撮影

 NPO法人「くまもと地域自治体研究所」(熊本市)は8日、熊本県水俣市の同市公民館で「サン・エレクトロニクスの工場撤退と全員解雇、水俣を考えるシンポジウム」を開き、約140人が参加した。

 水俣病の原因企業チッソが昨年8月、電子部品事業から撤退し、事業会社JNCの子会社サン・エレクトロニクス(水俣市)は解散すると発表した問題をめぐり、同研究所の中島熙八郎理事長がコーディネーターを務めた。

 地元市議や元新日窒労組委員長ら5人がシンポジストを務め、「家を1年前に新築した。こうなるとわかっていたら建てなかった」「ローンが返せるか心配で眠れない」といった同社従業員の切実な声を紹介。さらに労働法などの観点から「整理解雇の4要件を欠いて違法だという疑いが極めて強い」「人や地域や環境に甚大な被害をもたらしたチッソと国と熊本県が、地域に責任を果たすことが重要」といった指摘が相次いだ。元新日窒労組委員長の山下善寛さん(79)は、締めくくりにこう述べた。「現場の人たち、関連会社の人たち、水俣病患者や市民が力を合わせて闘えば道は開ける。今までの水俣でも、そうやって道を切り開いてきた」(奥正光) 

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