柏原英人:青年部の団体交渉は大変立派でした!

青年部の団体交渉は大変立派でした!
−地域労組大阪青年部の解雇事案団交に参加して−

地域労組こぶし組合員、働き方ネット副会長
柏原 英人

 先日、地域労組大阪青年部の解雇事案団交に初めて参加しました。
きっかけは、地域労組大阪青年部書記長の北出さんより「こちらの人数が相手方の会社の人数より少ない可能性があるので参加しませんか、青年部の団交を見てみたくはありませんか・・・・」と言われたことでした。
当初、北出さんからは「歴戦の勇士」とおだてられたものの、わたしとしてはこれまで様々な争議に参加した経験はあるものの所詮は企業内組合中心の経歴であり、年寄りが頑張っている青年部の邪魔をするようなことになっては・・と少し躊躇をしました。しかし、結局は「逃げたと思われますよ・・・」という厳しい励ましの言葉もあって参加をすることになりました。
その解雇事案は、入社一年半の若者が何の理由の説明もなく一方的に突然解雇されたというひどいもの(青年部によれば残念ながらよくある話)でした。
団交相手は中小企業のメーカーで社長以下6名が出席してきました。当日、青年部の参加者は10名ほどでしたので人数的には私の参加は必要ありませんでしたが、せっかく会社を早退してきたこともあり、青年部の団交がどのようなものか興味もあったので、結果的にはその後の2回の団交を含め3回全て参加することになりました。
団交は、北出書記長が六法全書を片手に当解雇の不当性を指摘することに始まり、相手の主張を論破しながら整斉と進められました。青年部は交渉にパソコンも持ち込んでおりなかなか絵になる交渉団でした。
団交の結果は、解雇された青年の要求を見事に実現した大変立派な内容でした。
団交に参加した感想としては、青年部が激しく机を叩きながら解雇の不当性を迫るのかなと勝手に思っていたりしたので、そうではなく理路整然とした堂々たる交渉ぶりには正直大変驚きました。
「本当にいい交渉をするなー・・・」というのが率直な感想です。
相手方の会社は、日本のものづくりを支えてきた典型的なメーカーで、これまで社員を大切にしてきたからこそ世界にも通用するいい会社になったのではないかと思える会社でした。
過去に解雇したことはなくなんでこんな解雇をしたのか今でも理解できませんが、今回の件で懲りて今後はこのようなことをやめて原点回帰をするのではないかと、わたしは期待しています。
地域労組大阪青年部はまだまだ小さい組織ですが、この青年部にもしも2千人が組織されていれば大阪ではこのような不当なことは起こらないだろうし、また大阪の企業にとっても社員を大事にすることによって会社も健全に発展する地域になるのではないかと感じました。
わたしは、今のような難しい困難な時代における最大の困難は、それを変えようとする若者の主体が弱いということだと思っています。その意味では今回「自らの課題を自らの手で解決しようとする若者たち」に触れることが出来て、青年部団交の参加は本当に有意義なものでした。
青年部の今後の発展を期待すると同時に、自分としても支援を続けていきたいと思います。
最後に青年部から「柏原さんの、相手がああ言えばこう言う、というのも良かったですよ・・・」と言ってもらったのにはほっとしました。

 

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