親たちが忙しい日本では、子どもたちも学校の授業や、校内での課外活動のほかに、宿題や塾や家庭教師や習い事があって、忙しくしています。
昨日発表された文部科学省の「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告」によれば、塾に通う小学生は15年前の1993年より2.3ポイント増えて25.9%、中学生が6ポイント減って53.5%になっています。塾に通う月平均回数は9回、平均月謝は2万1300円でした。中学生で塾が減っているのは、塾と比べ平均月謝が安上がり(4分の1の5600円)の通信添削が増えたことが一因とか。
塾に通う小中学生の帰宅が午後10時を過ぎる割合は23%にのぼっています。小学校低学年では4.4%、高学年では4.7%、中学生では39.9%と学年が進むほど高くなっています。帰宅時刻の最多は、93年調査では9時台でしたが、今回調査では10時台になっています。
Benesse教育研究開発センターが2005年に行った第1回「子ども生活実態基本調査」では、深夜の「12時30分ごろ」以降に就寝する子どもの割合は、小学生4.1%、中学生26.8%、高校生44.1%で、学習塾や予備校に通う子どもは、深夜就寝の割合が高くなっています。その結果、睡眠時間が「6時間以内」の割合も、小学生3.2%、中学生18.4%、高校生50.1%と学年が進むほど高くなっています。
少し古い資料ですが、2001年の「社会生活基本調査」の概要によると、10〜14歳の子どもが調査日に学校の宿題を行った割合(行動者率)は67%で,その平均は1時間20分となっています。先のBenesseの調査では、子どもは忙しい合間にテレビを見ており、ふだんの日のテレビ・ビデオ(DVD)などの視聴時間の平均は、小学生2時間1分、中学生2時間15分、高校生1時間56分となっています。「3時間以上」の長時間視聴者も、小学生23.9%、中学生28.8%、高校生16.7%と、かなりの割合にのぼります。
これらのデータが示しているのは、子どもたちは、塾や宿題でとても忙しい一方で、テレビ漬けになっていて、外で遊んだり、家族と会話をしたりする時間がほとんどないということです。
ついでに言えば、テレビばかり見ていると、子どもは(大人も)バカになります。またテレビを見過ぎると消費欲求が煽られ、買い物衝動が強められて、浪費や無駄遣いが増えます。